大阪のコンサートまであと一週間ほど。

また、この日本で日本語を話す彼に、それもこの大阪で会えるとは思ってもいなかった。

今年、4度、彼は日本に来たことになる。

1度も会えなかった去年を思えば夢のような話だ。

 

私が、今日ここに書く話は、ファンとして失格の話だろう。ファンであり、サイト管理人の立場では、きっと書いてはいけないのだろうし、多くのファンの中では、決して褒めらた話でもない。それでも私は、サイト管理人であるまえに一人の日本のファンとして、最近思うことをここへ書きたいと思う。

それは、今後の自分自身へのひとつの確認としても…

 

多くのブログが、彼の情報や動向を伝える中、私のブログはファンブログとしては全く異質なものなのだと思う。

彼を知ってブログを始めたことによって、ファン社会を知ることになり、多くの人を知った。

私がブログを書くのは、彼への自分の気持ちを確認するからにほかならない。

最初の頃こそ、多くのブログのように彼への思いを書き、情報を追ったりした。けれども彼の日本活動が遠くなればなるほど、情報を追うことに疲れた。今、私はほとんど情報を追わない。情報ツールであるTwitterも別のアカウントで作った別の社会の中で彼の呟きだけを確認する。

そんな何のメリットもないこのブログに以前にもまして多くの人が訪れて下さることを不思議に感じる。

 

さんざ迷った挙句、来年のソウルコンへの参加を取りやめることにした。

きっと兵役前の彼の最後のソロコンサートになるだろう。

 

彼の韓国でのツアーの話を聞いたとき、正直私は、気持ちが沈んだ。

そして、その沈んだ気持ちを今も持ち続けている。

韓国ツアーを聞いた時、「ああ、彼は韓国ファンのところへ帰ったんだ」と思った。

 

横浜アリーナから始まって、スタジアム、そして大阪城ホールと彼の活動は、今年は、日本を中心に回っているように感じた。

決して日本活動がまともに再開された訳でもなく、日本事務所が決まったわけでもない。

彼の「来日公演でもいいから日本で歌う」という意思がはっきり見えた一年だった。

彼は彼なりに今の状態でできる限りの日本活動を模索したのだと思う。

アリーナでの成功とファンの気持ちの確認をした彼は、日本市場に対して自信を持ったはずだ。

「自分を待ち続けている多くのファンがいる」ということを実際の目で確かめ、肌で感じた3日間だったはずだ。

 

タイトな日程で作られたソロアルバムにも関わらず、その出来栄えは群を抜いていた。

いつも決して彼のことを一番に考えてスケジュールを組んで来ない現事務所のやり方の中で彼は最善の結果を出してくる。

ソロアルバムの成功は、事務所の思惑とは裏腹に彼のことを広報しなければならない状況を作り出した。

事務所が日本以外のアジアを重視する方針の中で、日本市場は、彼を手放さない。

日本における圧倒的な売上は、事務所に日本市場を無視することが出来ないことを証明した。

日本市場の売上は、彼に日本で歌うことの理由を与えることになり、彼は堂々とソロ歌手としてコンサートを開く。

今の彼にアリーナで見せた悲壮感は微塵も感じられない。

 

横浜スタジアムで彼を見て、何かが彼の中で吹っ切れたのだと感じた。

あれだけファンとの繋がりを求め、彼の日本への思いが細部にまで溢れたアリーナと違って、スタジアムの彼には、距離を感じた。

それは、会場が広かったせいなのだろうか。

彼が今後の日本活動に関しての不安感を話すとき、今までになかった諦めをことばの端に感じたのは私だけだっただろうか。

自分の力ではどうしようもできない現実が彼の前に横たわるように彼は言う。

しかし、その現実は、果たして真実なのだろうかと思う。案外彼は日本活動が出来ない本当の理由を知らないのかもしれない。

スーパースターである彼が、本当の状況を知っているとは限らない。

特に日本市場を完全に掌握した事務所のあり方は、彼に日本活動再開が出来る方法を知らせないだろう。

事務所にとって、まともな日本活動をされることは、事務所の利益が減ることを意味する。

ルックコリアを子会社化し、日本でのコンサートのみならず、韓国へのコンサートツアーの収益も完全に手中に納める。

グッズやアルバム、DVDの販売権も事務所が取り込むというシステムを完全に作り上げた現状では、まともに日本事務所と彼が契約することは、阻止しなければならない。彼が、もし日本活動を再開出来ない本当の理由がどこにあるのかを知ってしまったら、彼を止めることは出来ない。

だから、彼の目にも耳にも本当の理由が届かないようにすることが大事なことなのだ。

そして、彼が日本を諦め切らないように時々は、来日公演という餌を与えて、彼に「いつか日本活動が出来るかもしれない」という麻薬を与え続けることが事務所にとって、一番効果的に彼も日本市場も手に入れる方法なのである。

 

今まで事務所が行なってきたことの事実を積み重ねれば、真実が見えてくる。

しかし、藪の中にいる彼には真実は見えない。

そうやって彼は4年間も騙されてきたのだと、私は感じる。

彼を日本市場から韓国市場に取り戻すために仕組まれた巧妙な罠は、彼の回りに幾重にも張り巡らされていて、真実を知らそうとするもの、新しく接触を試みようとするものを排除し続けてきた。

彼が自分を取り巻く状況の真実を知らない限り、彼の日本活動は決して再開されないだろう。

それは、兵役へ行き、戻ってきても、今の事務所にいる限り、何も状況は変わらない。

最大のドル箱市場を抱える彼を事務所は決して手放さない。

それだけが真実だ。

 

兵役を前にして、事務所は回収できる限りの収益を日本市場から回収しなければいけない。

そして、2年のブランクの間もファンが彼を忘れてしまわないよう、日本活動を諦めないよう、餌を与え続けなければならない。

ここからが事務所の腕の見せ所なのだ。

 

私は、彼が5人活動をしていた頃をほとんど知らない。

彼がドラマに出て、バラエティー番組に出て…と、日本でソロ活動を始めた時期にファンになった人間だ。

彼が日本語を話すことも日本語で歌うことも当たり前の活動の中でファンになった。

日本語を話し、日本語の歌を歌うジェジュンだから、ファンになったと言っても過言ではない。

その彼が、全く日本にこなくなり、日本語で歌わなくなり、日本語を話さなくなったら、それは、私がファンになったジェジュンという人ではなくなってしまう。

キム・ジェジュンという韓国の歌手としてアルバムを出した彼は、コンサートで日本の歌を何曲も歌う。

そのセトリは、彼がどんなにキム・ジェジュンであっても決して「ジェジュン」を忘れないという強烈なメッセージにほかならない。わざわざ日本語の曲をセトリに加えてアジア諸国を回る彼の中に「決して日本語の歌を手放さない。日本語を手放さない」という意思が見える。

そうでなければ、日本の歌を入れる理由は一ミリもないのだから。

 

それでも彼は韓国人で韓国ファンの元へ帰り、韓国で活躍する道を探すだろう。

彼は、韓国で成功する夢を描くだろう。

その時、「ジェジュン」はどうなっているだろう。

 

兵役を来年に控えて、今後、日本へ戻ってくる保証は何処にもない。

帰りを待ちわびて疲れ切った心で待つことに自分の中での限界を感じるのも確かなことだ。

 

自分の心の中だけで彼を応援したい。

彼への思いは、自分だけが知っていればいいことで、揺れる気持ちも自分だけのものだ。

 

5人時代の最後の年、3人活動が始まる前にエイベックスは多くの過去映像のDVDを発売し、真実を知らなかった私は、それらを購入した。

ほどなく、3人活動が始まり、決して5人には戻れないとわかり、そして日本活動が打ち切られた。

今、私の手元には、未開封のそれらのDVDが何本もある。

彼が日本活動をする中で本当に日本を楽しみ心からの笑顔を見せる映像が収められたものばかりだ。

私は、日本活動が打ち切られた時、「日本活動が再開されたら、これらの封を切ろう」と思っていた。あれから4年。

今もそれらは、未開封のまま、部屋の棚の中に眠る。

この封を切る日は、本当に来るのだろうか…

 

彼が日本活動や日本への距離を置く中で、私も彼やブログと距離を取ることを考えていかなければならないのかもしれない。

彼が日本語を忘れない為に努力し続けていること、日本語というツールを手放そうとしないこと。それらが彼の日本へのメッセージだとわかりつつも、兵役での2年間にそれらのものを手放さざるを得なくなる状況が彼の目の前に横たわる。

ファンとして、何も出来ず、ただ、彼が自分で日本活動への扉を開けることを待つことしか出来ない。この4年は、ファンとして彼の何の力にもなれないことを痛感するための4年だったのかもしれない。

 

これから、ファンとしてどのようなスタンスを取るのか、自分の中で考える時期が来ているのかもしれない。

ブログを書くことも彼のファンであることにも疲弊しきった自分がいる。