横浜と大阪のコンサートが終わり、追加公演が発表されたために、ちょうど前半を終わった形になる。

今回のコンサートで、ペンライトについての騒動を耳にした。
緑のペンライトを持っていたファンが小突かれたというものだった。
小突かれたとは、穏やかではない。それでなくても、今回のコンサートで緑のペンライトを出すと、嫌な顔をされたり、ひそひそと中傷されたり、鋭い視線を浴びせかけられたり、と明らかな嫌がらせを受けた人が何人もいるとも聞いた。また、ツイッターでの中傷は、私も目にする事があった。
今回のコンサートは、オンリー待望のソロコンサートだ。その場所でどうしてこういう事が起きるのか、考えてみた。

スタンド席に座って会場を見渡してみるといい。公式ペンライトの白い色に加えて、赤や緑のペンライトが数多く見える。
3色のペンライトは、そのままジェジュンと、ジェジュンオンリーの歩いてきた苦悩の道を象徴しているかのようにも見える。

13年前、彼がデビューした時、東方神起の公式ペンライトの色は、赤だった。
それは、日本でデビューした時も変わらなかった。
赤は即ち、5人の色。東方神起の色だった。
当然、その頃、ファンは、彼を応援するのに赤色のペンライトを振った。
日本では、個人を応援するというスタンスはなく、あくまでも東方神起5人全員を応援する、というスタイルだったからだ。
一方、韓国では、早くから個人ファンサイトが確立していた。誰のファンサイトなのかをわかりやすくするためなのか、いつからだったのかは知らないが、私がファンになった頃には、既にそれぞれのシンボルカラーがあり、その色で応援するスタイルが出来上がっていた。
2010年10月に行われたJYJのshowcaseでは、当然のこと、シンボルカラーを持つ韓国ファンの姿を数多く見た。
何色を持っているかによって、誰のファンであるかが一目瞭然だった。
即ち、緑色は、ジェジュンファンである事の証しだったのだ。

5人から3人になり、JYJになっても、東方神起の時のシンボルカラーである赤色を公式ペンライトは継承していた。
ファンは、何の疑いもなく赤色を振って応援した。
しかし、この7年、JYJ活動は殆ど無かったに等しい。反して、ソロ活動やソロコンサートが活発に行われてきた。
グループ活動を応援し、グループ全体を応援するというスタイルだった日本のファン社会に、個人を応援するというスタイルが確立されるようになったのは、それぞれのソロ活動が行われるようになってからのことだ。
その応援スタイルと共に、当然のことのように、各人のシンボルカラーも持ち込まれた。
JYJのコンサートでも、ソロコーナーになると、赤色ではなく、各人のシンボルカラーのペンライトを振るファンが増えた。また、ソロコンサートにおいては、公式ペンライトではなく個人色のペンライトを振るファンが目立った。

さらに混乱を与えたのは、2014年のichigoコンだと言える。このコンサートにおいて、公式ペンライトの色は、赤以外に、各人のシンボルカラーのペンライトも発売されたからだ。
翌2015年1月のジェジュンのバースデーファンミに於いては、緑色のペンライトに緑色のマフラータオルも販売された。
ジェジュンのシンボルカラーである緑色が公式に採用されたのだ。
そうやって、ファンは、様々な色のペンライトを手にしてきた。

特にジェジュンオンリーにとって、緑色のペンライトを振ることは、理不尽とも言える事務所の扱いやメンバー間の扱いの差を感じる中で、自分は彼だけを応援するのだ、という意思表示のようにも見えた。

2013年6月の彼の日本におけるソロ活動の始まりともいう記念すべきファンミとミニコンサートにおいては、多くのファンが緑色のペンライトを振った。
それは、彼のグループ活動を応援するのではなく、個人活動を応援しているのだという意思表示のようなものだったかもしれない。
2013年の横アリや横スタ以降、JYJファンから、ジェジュンオンリーに移行していったファンは、非常に多い。
現にその時点まで、自分だけを応援するファンの存在もソロ活動を願うファンの存在も知らなかった彼が、ハッキリと日本にも自分だけのファンがおり、ソロ活動を応援しているのだと知ったのだから、ファンにとっても意味のある意思表示だったと言える。

そうやって、ジェジュンオンリーは、緑色のペンライトを振って彼を応援してきた。
オンリーと緑色のペンライトは、密接な繋がりを持ってきた。だから、緑色のペンライトを振ることを躊躇しなかった。
今回のコンサートは、ソロコンサートとしては、実に4年ぶりになる。ゲストも誰もい長かったらい、文字通り、彼だけのコンサートだ。
そのコンサートで緑色のペンライトを振る事に批判が来るとは、思っていなかった、というのがホンネだろう。

批判する側の言い分をツイッターで目にした。

公式のペンライトをどうして振らないのか。
緑色のペンライトを振っているのは、年配のファンが多い。10年後、コンサートに来れるの?
緑色のペンライトの考えを持ち込んだのは、韓国ファンサイトでしょ。日本では公式ペンライトを振るのが当たり前。

そういう批判の中で、ファンが小突かれる、という騒動が起きたのだった。

確かに、今回のペンライトの色は、赤でも緑でもなく白だ。
その色をジェジュン自身が選び、これからもずっと白色をソロコンサートでの色に選んだ、というのなら、公式ペンライトを振るのがいいのだろう。
しかし、この7年。cjesの提供するものに、ファンは翻弄され続けた。
その時その場の気分のような公式ペンライトの色の結果が、現在の3色のペンライトに象徴されている。

どの色を振っても、彼を応援することに変わりはない。

私は、いつも公式の緑色のペンライトを振ってきた。
しかし、これから始まる彼のソロの音楽活動の中で、新しく始める色として白色を選んでいくのなら、それに従うのが彼の意思に沿うことになるだろう。
しかし、今までのように、様々な色のペンライトをその都度、販売するのであれば、それは何色を振っても構わない、ということになるのだと思う。

毎回、ペンライトを買うとは限らない、また、買えるとも限らないのだ。

しばらくは、3色のペンライトの海を彼は見ることになるだろう。
その海を見ながら、彼が何を思うのか…

彼の意思がそのうち見えるかもしれない。
彼がアイドルを脱却しようとするなら、韓流スターの象徴ともいうべき、ペンライトを手放す日が来るかもしれない。