一体何度お別れのことばを言えば私達はお別れ出来るのだろう…
何度も何度も彼は私達とお別れした。
去年の名古屋が最後だと思っていた。だからあれほど泣いて「いつまでも待ってて… 元気してね」と言ったのだ。
「すぐだからね。みんな、韓国に来たらダメだよ、俺、見れないからね…」そう言って、最後まで笑顔で別れた彼。
あの時、彼はこれが最後のお別れだと心をこめて伝えてくれた。
笑顔で…
彼は、その都度、これが最後の日本だと覚悟していた。
一昨年の横スタから始まって、彼は何度その覚悟をしたのだろう。
今度こそ、本当にお別れだ。
ドラマ撮影の多忙なスケジュールの合間にわざわざ日本にやってきたのは、日本にいる自分だけのファンに別れを言うためだ。
韓国に行けない多くのファンに、自分から別れを言いに来た。
始めから3月という時間があるのなら、何も急いでファンミをする必要はなかったのだ。トライアングルの放送は4月いっぱいあるのだから。
始めから、3月という時間が与えられているのなら、そして事務所がお別れのイベントを行う気持ちがあったのなら、彼はあれほどに無理をしてやってきたのだろうか。
彼の中には、誕生日を迎え、ドラマの仕事を終えたら、入隊しようという覚悟があったはずだ。だからこそのお別れの言葉だった。
もうしばらくは日本ファンと会うことは叶わない。
だからきちんとお別れに来たのだ。
3人になって泣いてばかりいた彼が、初めて涙を見せなかったステージ。
最後に記憶して欲しいのは、泣き顔ではなく笑顔だった。
泣き顔を見せたのはファンだった。
あの日から二週間も経たないのに、まるでその別れをあざ笑うかのように韓国でのイベントが発表された。
「キム・ジェジュンが日本のファンの皆様に最後のご挨拶をします」冗談じゃない、私達はお別れしたのだ。
横浜のファンミの開催は紛れも無く彼の意思の表れだった。
彼が可能な限り、自分で用意をし、自分でお別れのことばを選び、曲を選んだ。
それを無にするかのように、「まだお別れのイベントがあったんだよ。韓国に来れば、ジェジュンとまた会えるんだよ、今度こそ、最後のお別れなんだよ」と事務所は餌をぶら下げた。
今まで何度も何度も事務所は餌をぶら下げた。
私達ファンには、「ジェジュン」という餌。
彼には「日本活動」という餌。
「日本で歌わせてやる」「日本ファンと会う機会を作ってやる」何度彼の前にその餌はぶら下げられたのだろう。そしてその代償に何を払わされ続けてきたのか。
彼も私達も事務所に見透かされているのだ。
その餌をぶら下げられたら、どんなに理不尽なことでも飲むということを。
「韓国には来ないでよ」
あの時点で彼は今回のイベントを知っていたのだろうか。知っていたとしたら、それが彼の明確なメッセージになる。
この5年間、どんなに理不尽な扱いを受けてきても、彼は自分の考えで仕事を行なってきた。たとえ事務所に主導権を取られているコンサートであっても、MCで自分の考えを話し続けた。
彼の意図も彼のポリシーも明確だ。
決して圧力には負けない。
この5年間の主導権は、事務所が持っているようで、実は彼自身が握っていた。その意思は、サセン以降、顕著になった。
C-jesは、よほどジェジュンのファンミで儲けられなかったのだろう。
韓国でのJJパーティーにも多くの席を用意したのに、いつもに比べて渡韓した日本人は圧倒的に少なかった。私の周りでもこれまで必ず韓国へ行っていたonlyが殆ど行かなかった。
当たり前だ。日本に彼が戻ってくるのに、わざわざ韓国に出向く必要はない。彼はその為に戻ってきたのだから。
おそらくドラマファンミは、事務所にとって殆ど身入りがなかったのだろう。
早々と最後のJJパーティーを企画し、ボッタクリツアーでルッコり共々儲けるつもりだったのに、彼はドラマのファンミを日本で開催することを決めてしまった。
慌てて企画だけは乗っかることにして、彼の歌を封じ込めた。
日本で歌わなければ、歌を聞きたいファンは、ソウルにやって来るかもしれない。
ソウルのJJパーティーの内容が明らかになるにつれ、行かなかったことを後悔したファンは多かった。
そうか、日本ファンは後悔してるのか。だったらもう一度、お別れイベントをやろう、それも日本ファン向けに。そうすればボッタクリツアーでもファンはやって来るに違いない。
日本人がわざわざ韓国に来ることが事務所の功績に繋がる。一体何人の日本人を韓国に呼び寄せることが出来るか。日本人からお金を巻き上げることが功績に繋がるのだ。
どんな餌を彼の前にぶら下げたのだろう。
愛情深い彼は、ファンの為にきっと特別な一夜を準備するに違いない。
思い出に残るイベントにするだろう。
多くのファンがもう一度彼にお別れを言いに韓国へ行くのだろう。
そうやって繰り返されてきたビジネスなのだ。
最後に入隊ビジネスでガッポリ儲けなくてはならない。
入隊は、人生一度きりの大イベントなのだから。
彼はいつ、入隊するのだろう。
そしてこれが本当のお別れになるのだろうか…