私はよくジェジュン以外のアーティストのステージを観にいく。

そこで感じるのは、日本のアーティストは音楽活動しか考えていないということだ。

三浦大知、城田優などの同世代、さらに少し上の世代である氷川きよし、徳永英明、平原綾香、玉置浩二、松田聖子など。

彼らから感じるものは、歌手。

歌手以外の何者も感じることはない。

なぜなら彼らの活動の中心には音楽があり、それ以外のものをほぼ目にすることがないからだ。

彼らは一年中、音楽と共にあり、音楽の世界に生きている。

それ以外のイメージを持たない。

そしてそのイメージを守るような番組、

音楽番組を中心としたトーク番組、さらには音楽雑誌によるインタビュー掲載など、

いつも活動の中心には「音楽」というものが存在している。

だからこその「歌手」というポジションだ。

 

しかし、ジェジュンという人のこの3年の日本活動を省みたとき、

積極的に歌手というポジションを守るというよりは、歌手の活動もするがタレントとしての活動もする。

ビジネスもやるし、イメージモデルもやる、という風に、実に多種多様なイメージが付き纏う。

雑誌掲載に関しても、アイドル雑誌、婦人雑誌が中心であって、音楽専門誌に取り上げられたことは一度もない。

この音楽専門誌に取り上げられたことがない、というのが、

彼の音楽界での現在のポジションを端的に現している。

即ち、ミュージシャンであるという評価が日本の音楽業界の中で低い、ということになる。

それはアルバムや新曲が発売されて取り上げられる雑誌の種類を見れば、自ずとわかる。

どんなに婦人雑誌でアルバムの特集を組まれても、その雑誌の購入層は、女性に限られ、音楽関係者ではない。

彼がネットニュースで取り上げられるサイトも、音楽サイトではなく、一般サイトであり、芸能サイトだ。

これは事務所の戦略なのか、彼自身の選択なのか知る由もないが、音楽業界の中から見た場合、

彼のポジションはやはり日本の音楽界に根ざしたものとは言い難く、

いつ本国へ戻るとも限らない歌手、という位置付けと印象なのである。

ここに彼が日本で東方神起の頃のような代表曲を持てない理由があるように感じる。

即ち、CDを出し、アルバムを出してツアーをする、という一般的な歌手活動が精一杯で、それ以上の歌手としての活動、クリエイターとしての活動、音楽活動というものが一切見えてこないからである。

 

確かに歌手にとって、CDやアルバムを発売し、ツアーを行う。

活動の主軸となるものである。

しかし、それ以外の時間をどのように過ごしているのか、表面に現れない部分でどれぐらい音楽と向き合い、音楽のことを考えているのか。

そういう形に現れない時間の過ごし方が、彼の活動を見る限り、感じられない。

日本でCDを出し、ツアーを組む、音楽番組に出る、という一般的な歌手としての活動を手に入れたことに甘んじているように私には感じる。

音楽への渇望や、歌への欲求。

他のアーティストとのコラボや自作曲などの創作活動。

多くのアーティスト達が音楽漬けの毎日を過ごす中で、彼の活動から「音楽漬け」という姿は全く見えてこない。

日本の業界に根を張った歌手というイメージが持てない、というのが一般的業界の評価だと思う。

即ち、今は日本で活動しているが、いずれ他の韓国人達のように本国に戻り、いつの間にか日本からいなくなるのだろう、という不安定さを感じさせるのである。

 

日本の業界は非常に厳しい。

東方神起以降、あれだけ多くの韓国アイドルグループが日本で活動したが、

日本の音楽業界の中で確固たるポジションを築けているグループはない。

一時期の流行によって華々しく活動し、名前を売っても、殆どのグループが数年で消えている。

東方神起ですら、母国での活動が主軸であり、かつてのように日本の歌手という評価は業界の中からも一般社会の中からも消えつつある。

即ち、日本の業界の中に根ざした活動をしていない限り、日本の音楽界の中でポジションを獲得することは難しいのである。(かつての東方神起がポジションを築けたのは、日本での活動に専念し、日本の業界の中に根ざした活動を下からに他ならない)

 

単純に、一部の熱狂的でコアなファン層によって支えられている活動は、先細りしていく運命にあるとしか言えない。

現在、日本活動している韓国のグループの中で、日本の業界の中にしっかりと根を張って、社会的ポジションを獲得しているものは皆無に等しいのである。

これが現状だ。

そういう中で、彼が今後、何を目指し、どんな形で日本という場所でポジションを取っていくのか。

これはどんなに大手事務所がバックアップしても、一般社会の世間的評価、音楽関係者の評価は別のところに存在するのであるということを、私は評論家になって知った。

業界的な評価の得られない歌手は、どんなに売り上げをあげても、ポジションが築けない。

これが日本の業界の厳しさである。

 

4年目に入る彼の日本活動で彼が何を目指していくのか。

従来の活動枠に留まれば、それはやがてファン離れを起こすだろう。

彼に本物の歌、音楽人としての活躍を望む人達の欲求は満たされないからである。

 

いつもどこかに不完全燃焼を感じさせるコンサートを続ける限り、彼が音楽雑誌に取り上げられることはないだろう。

彼が目指すものは一体何なのか。

それが今後、彼の日本活動に大きく作用する。

そして、日本で長く歌手として存在出来るかどうかの大きな要因になるだろう。

 

 

最近の彼のインスタの投稿には非常に違和感を持った。

それこそ、どこを目指しているのか、どの程度、音楽やりたいのか、韓国にいるとそういう気持ちにならないのか。

環境が人に与える影響は半端ない。

このままの環境に甘んじるかどうかは、彼次第だ。

 

※2

今後は、定期的にこの場所に書くと思います。

但し、内容は手厳しいと思いますのでご了承を。