ジェジュンが日本活動を再開して発売した楽曲の中で、評価が高いものはカバーアルバムの楽曲である。

即ち、彼の歌手としての日本における評価で結果が出ているのは、カバー曲ということになる。

これが現在の日本での一般的な認識と客観的評価であると言える。

 

現在のJPOP界は若い世代に非常に優秀な人が多い。

私はよくFirst Takeという動画サイトを観るのだが、ここには非常に優秀な若手の歌い手が揃っている。

若い世代でまだそれほどメディアに露出出来ていない、もしくはこれから売り出していこうとする実力派の歌手達のある意味一種の登竜門のようになっているサイトであり、一発どりの世界である。

ここで歌声が丸裸にされ、ほぼアカペラに近い歌声を聴く人が多いが、非常に優秀である。

また最近の傾向として、非常にハイトーンボイスの男性歌手が増えている。

ジェジュンがレコーディングする楽曲の選択の折に非常に高音に拘るというのを聴いたが、それは現在のJPOPの業界的傾向としてハイトーンボイスの歌手を好む、という傾向があるからだと感じる。

即ち、中性的でハイトーンボイス。

これが現在の聴衆の好みとも言え、そういう点で氷川きよしの最近の傾向も一種の戦略に基づいてのものとも言える。

 

現在の音楽の傾向として、R&B、ヒップホップなどのダンスパフォーマンスを伴ったものが主流を占めるが、そういうものに交わらず、独自の世界や路線を貫いている歌手も数多くいる。

 

ではジェジュンはどの方向でなら生き残れるのか、といえば、彼が得意とするバラード系の楽曲を主体としたオリジナル曲がヒットするのが一番ではないだろうか。

歌手はとにかくオリジナルの大ヒット曲を持つかどうかで、生き残っていけるかどうかが決まる。

しかし、このヒット曲というものは、作り手側のプロデューサーに聴いても、現在では何がヒットするかわからないというのだから、非常に不透明な時代である。

確かなことは、話題になり、ヒットしていくのに、従来のプロモーション活動によるものではなく、動画の再生回数からヒットが生まれるという現象だ。

そういう点で彼がもっと動画サイトを活用することで、実際に発売前であっても話題となりヒットする可能性は十分考えられる、

 

彼は「逢いたくていま」「To Me」「僕が死のうと思ったのは」「For You」など、バラード系の歌の表現力に非常に優れている。それは彼の歌声の音色が、このようにしっとりとした楽曲を生かすのに適しており、どちらかと言えば、アップテンポな曲では音楽に流されて歌声の特色が消えてしまうことによる。

その為、ドラマや映画などのタイアップで、しっとりとしたバラード系の楽曲であるなら、彼の持ち味が十分生かせ、尚且つ、聴衆の耳の中に残りやすいと考える。

 

今回、Hyde氏とのコラボによっての楽曲が提供されたが、今後もケイダッシュ系でないクリエイターと積極的にコラボしていくことで、新しい世界や活路が見出せるのではないかと感じる。

そういう意味で、ケイダッシュの所属ではなく、業務提携という形は正解だ。

 

彼がJPOP界の中で韓国人でありながらJPOP歌手であるというニッチな部分で頂点を取っていくことに可能性を見出せるといいのではないかと感じる。