TUNEを観た。

いつもなら放送のない地域に住んでいて、リアルタイムで観ることができないのが、たまたま所用で東京にいた為にホテルのテレビで観る事が出来た。
1時間丸ごと、ジェジュンのみ。
ジェジュンによる、ジェジュンの為の番組構成。
この8年、韓国では決して観ることのできない風景がそこに広がっていた。
なぜ、彼が日本に戻る事を決断したのか。なぜ1人で戻る事を決断したのか。その答えがそこにあるように思えた。
韓国ではこの8年、満足に歌うことすらできなかった。
大手事務所とのトラブルを抱え、放送媒体に出れないことは、彼自身も覚悟していたかもしれない。しかし、放送媒体だけでなく、歌手活動そのものができないような毎日を想像しただろうか。
放送媒体に出れなくても、歌手であるなら、ライブがある。どんな小さな会場でも歌い続けることは可能だったはずだ。
しかし、それすら、彼には許されなかった。
韓国という国は、彼に歌手であることすら、許してはくれなかったのだ。
Cjesが与えなかったというのは、正確とは言えない。彼が考える日本活動というスタンスを決して持たない事務所だったということだけだ。
一番の誤算は、Cjesという事務所が日本という国を単なる仕事場としてしか見なかったという事だろう。しかし、それは、韓国に於いて、最もポピュラーな考えであり、反日主義に基づいたものだと言える。
韓国では、ジェジュンの感覚の方がおかしいのかもしれない。それほど、彼はかつてと同じような日本活動に固執した。
JYJというグループは、ボーカルグループだったはずだ。そのグループを事実上、単なる呼称でしかない実態のないものにしたのも、韓国という国だった。
韓流は国策だ。資源を持たない韓国は、文化を輸出することで、外貨を稼ぐ方法を考えた。
アイドルの力を借りて、韓国という国のイメージアップを計り、海外からの旅行客を呼び込む。また、海外公演を通して、外貨を稼ぐ。
長く経済不況の続く韓国では、成功するには、学歴や家柄がものを言う。
何も後ろ盾を持たない人間が、成功を手に入れられる可能性は、スポーツ選手か、アイドルしかない。
次々と量産されるアイドルと韓流コンテンツの中で、生き残っていくのは並大抵のことではない。
他人より少しでも上に這い上がる為には、政治的に利用されても、自分のポリシーを曲げても、事務所の言いなりになるしかない。そんな韓国の実情の中で、Cjesという事務所は、最も韓国的思想の事務所だったと言えるだろう。即ち、反日主義に基づいた海外活動をする事務所ということだ。決して、日本を同等に扱わず、あくまでも格下としての扱いしかしない。即ち、韓流文化を与えてやっているのだ、というスタンスだ。
SMが、エイベックスを同等の扱いをし、業務提携を結んだのは、日本の何もわからない現状では、日活を丸投げするしかなかったからだ。
それまで、本格的に日本の芸能界に進出しようとした韓国の事務所はなかった。
SMには、日本の芸能界の実情も日本人の感情も好みも何もわからなかった。だから、丸投げしたのであって、SMよりも前にどこかの事務所が本格的に日本に進出していたなら、決して丸投げなどしなかっただろう。
あの頃は、KPOPという言葉すらない時代だった。
東方神起5人の経験は、韓国人として特殊なものだっただろう。
彼らが経験したのは、韓国人としての日本活動ではなく、紛れもなく日本の新人としての芸能活動だった。だからこそ、日本の芸能界、日本社会の中に、今もなお、東方神起という存在は、根付いているのだと言える。
これが、あくまでも韓国のヴォーカルグループとしてKPOPのスタイルを貫いていたなら、KPOPは、日本社会に根付くことはなかっただろう。彼らが、JPOPのグループとしてのポジションを確立したからこそ、今のKPOPグループのポジションがあると言っても過言ではない。
そういう意味で、彼らが、日本におけるKPOPの先駆者だったのだ。
そんな活動を経験した彼は、韓国人として特殊な存在だったかもしれない。
さらに彼は、この日本で大きく価値観の変換を余儀なくされた。それは、学歴も出自も関係なく、真面目にやっていれば、認めてもらえるということだ。成功への道筋は、学歴や出自などではなく、努力と実力が報われるいう事だった。
その上、日本では、韓国と違って、一生、歌い続けることが出来る社会でもあった。
彼は、価値観の変換と共に、努力すれば報われるという成功体験を自分の中に何度も取り込んだはずだ。その体験が、彼に日本の芸能人としての活動を諦めさせなかったのだと思う。
「日本でかつてのように芸能活動する」ということは、韓国人としてKPOPの歌手としての活動をすることではなく、当たり前のように日本人の芸能人に混ざって、日本の芸能活動をするということを示唆していたのだと思う。
「スカっとジャパン」で共演者と共に出演した彼は、何も話さなければ、日本の芸能人のように思えたかもしれない。
韓国で番組に出たことがニュースになったと司会者から言われ、共演の芸人からは、「ジェジュン!」と突っ込まれる。
その風景からは、韓国の芸能人が出演しているというよりは、韓国出身で日本の芸能界にいる芸能人、即ち、共演者の彼らと横並び一線の何ら変わりのない芸能人である、という扱いしか見えてこなかった。
再現ドラマごとに彼のコメントが映し出され、「ジェジュン」という韓国出身の芸能人を多くの日本人に印象づけるには十分な時間だっただろう。
9年ぶりに彼が手にした日本活動は、日本の芸能人であるなら、当たり前の活動としか言いようのないものだった。
8年前に、韓国に戻った彼には、かつてのような日本活動再開はおろか、歌手としての居場所すら、個人としてもグループとしても許されなかった。多くのアイドルが辿る道筋であろう歌手から俳優への転向、という生き残りの道が与えられているに過ぎなかった。
その現実が韓国にいる限り、これからも延々と続くのは十分予想出来たことだった。
まるで出口のない迷路の中を堂々巡りしているような8年だった。
かつて、日本では、彼は、紛れもなく歌手以外の何者でもなかった。
5年の活動の間、ふた月に1枚のシングルをリリースし、年に一度のアルバムと、全国ツアーを行う。
楽曲は100曲をくだらなかった。
そんな彼が、韓国に戻った8年間にリリースしたアルバムは、たった1枚のミニアルバムと2枚のフルアルバム。僅か数曲のOSTだけ。
ライブツアーに至っては、除隊ライブを除けば、たった1度きりしかない。
彼は、歌手兼俳優という肩書きすら与えられず、時には、歌手という肩書きすら外された。
それが、韓国での芸能人ジェジュンのポジションだった。
彼が、8年前、血を吐くような思いをして、分裂までして貫き通そうとした、「事務所とアーティストの対等な関係、あくまでもエージェント方式にこだわり、自分で仕事を選ぶ」という環境は、到底、韓国で手に入れれるものではなかったのだと思う。
韓流スターとして、日本を含めた海外で、たまにファンミを開き、ドラマに主演して俳優として活動する。その他には、仕事はない。
自由という名と引き換えに手に入れたのは、そんな世界だった。
それでも彼は、歌手であることを諦めようとはしなかった。
軍隊は、彼に歌手のポジションを与えた。それは、かつて、東方神起のメンバーとして活躍した彼のイメージが強烈に残っていたからなのかもしれない。
彼は、軍隊で、歌手として復活したのだ。それは、グループ歌手でもなんでもない。単に一人の歌手としてのポジションだった。
入隊中に自分の手の甲にト音記号を刻んだのは、せっかく取り戻した歌手としてのポジションを誰にも奪われたくなかったからなのかもしれない。或いは、自分が何者であるか、いつも自分に言い聞かせる為だったのかもしれない。
2年の兵役のブランクの影響は決して小さくない。
人によっては、芸能人を辞めることを余儀なくされる場合だってある。
それほど、入隊前と同じ人気を保つことは、非常に難しいと言われている。次々、新しいアイドルが登場し、韓国の芸能界は、常時、新陳代謝が行われている。それに従って、ファンも次々、新しいアイドルへと移行するのが普通だと言われる。
若い頃にファン活動をした彼女達は、やがて結婚をし、家庭を持つ。そうなれば、アイドルのファン活動は卒業するのが一般的だ。
日本のように、何年も、何十年も同じ人を追いかける、結婚もしないで追いかける。または、家庭を持っても追いかけるという文化はない。
だから、アイドルも、自分の芸能人生が短いことを覚悟している。
除隊後、自分が芸能界で生き残る為には、歌手活動だけでなく、俳優活動も盛んに行う。場合によっては、芸能生命の長い俳優に転向する人も少なくない。
アイドルでいれる時期は、短いのだ。芸能人として生き残れないとわかれば、実業家に転身する人も多い。
そんな韓国の風景と、一生、歌い続けることだって可能な日本の風景とでは、全く違う未来が彼の目には映っていたのかもしれない。
彼は、入隊中に、自分が何者として人生を生きていくのか、どの場所で生きていくのか、考え抜いたのかもしれない。
除隊後、事務所は、彼を本格的に俳優として復帰させようと目論んだが、彼が選んだのは、歌手活動だった。
どんなに歌えなくても、彼は決して、歌を諦めなかった。そして、日本活動も諦めなかったのだ。
ステージ上の彼は、普段の彼とは別人だ。
そのギャップがよく表されているような二つの番組だった。
決してリップサービスのできない、嘘の言えない彼の人柄が垣間見えるようなトークだった。この嘘を言えない彼の不器用さが、この8年、彼を苦しめてきた遠因だったとも言える。
彼が、リップサービスをすることが出来たなら、本心とは別の事を口に出せる彼であったなら、もっと器用に韓国社会の中で生きてこれたに違いない。
BTS(防弾少年団)がどれほど人気があり、売れようと、この日本社会に浸透せず、あくまでもKPOPの枠組みの中で、一部の日本人からしか支持されないのは、彼らが、余りにも韓国人であり、言動に政治的思想が見え隠れするからとも言われている。
冬ソナブームに始まり、5人東方神起のブレイクに依って、一気に親近感のある国に変わった韓国は、今、北朝鮮との首脳会談で、また、日本からは遠い国になろうとしているように感じる。
それは、文化と政治が必ずしも離れているものではない、という部分から、そう感じるものでもある。
今、韓国では、北朝鮮に対する親睦ムード一色の中で、韓流コンテンツが担う役割は大きい。
今後、北朝鮮への韓流文化の輩出は、十分予想されることであり、その役目を負わされる韓流スターは、知名度があればあるほど、その可能性が高くなるだろう。
国策としての輩出が決まれば、そこに個人の意思など入り込む余地はない。それが、韓国という国の韓流文化の宿命とも言える。
北朝鮮との首脳会談の日、彼が、韓国にいなくて、本当の良かったと思った。
今までもCjesは、積極的に政府関係の仕事を担ってきた。今後、関わり合いを持とうとしないとも限らない。
そんな中、入隊中でさえ、政治的言動は一切避けてきた彼が、政治的思惑の中で、利用されない保証はない。
あくまでも日本の芸能界に、日本の芸能人と同じような活動を求めて戻ることを望んだ彼は、ケイダッシュと正式にマネージメント契約を結び、日本の芸能界に戻ってきた。このタイミングで、彼が正式に契約出来たことが本当に良かったと思っている。
9年ぶりに地上波の音楽番組やバラエティー番組に出演した彼は、これから当たり前に活動するだろう。
韓国に戻る暇がないほどに、彼が日本の芸能界で露出し、仕事が出来ればいいと思っている。
それは、歌手活動に限らず、とにかくどんな仕事でもいい。
日本の仕事が彼を守るだろう。
彼が守り貫き通した日本活動への思いに、今度は、日本という国が応える番だ。
kuko
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「TUNE」と「スカっとジャパン」から、ケイダッシュの戦略が見えてくる。
元東方神起のジェジュンと言っても、東方神起というグループは知っていても、ジェジュンという名前まで覚えている人は、正直、今の日本では少ない。
とにかく先ずは、顔と名前を覚えてもらうこと。
これが、何より先決なのだろう。
ほぼジェジュン一色に染まった二つの番組は、お茶の間の多くの日本人に、彼の存在をアピールするには十分な番組だった。
そうやって、彼の本業である歌手以外の分野から露出させる。十分な認知度を高めておいて、歌手活動を再開させる。
最も効果的な方法なのかもしれない。
彼は、9年前とは違う。
あの頃は、事務所に守られ、メンバーの中で伸びやかに自分を表現していた。無邪気に笑い、何を発言しても許される日本という土壌の中で、未来に安心しきっていたのかもしれない。
その彼が思い描いていた日本での未来は、大きく方向転換せざるを得なかった。
今、彼は、一人で日本に戻る。
未来が、不確かなものであり、一瞬で崩れ去るものであることも知っている。
だからこそ、慎重に、そして大切に、二度と日本での居場所を失わないように、少しずつ活動の範囲を広げているのだろう。
次々と、小出しに発表されるスケジュールの何倍も、いや、何十倍もの仕事が彼には入っているのかもしれない。
それでも彼は、9年ぶりに日本に戻った新人のつもりで、始めるのだろう。
硬い表情の中にも、彼の安心感が見える。
それが、私には、何よりも嬉しかった。
チケットの金額に賛否両論があると聞く。
さらに金額に見合った内容でなければならない。今までの繰り返しなどとんでもない。グダグダトークは、もういい。歌を聞かせて欲しい……etc.etc……。
どれも正論なのだろう。
でも私は、何も思わない。
彼の日本活動は始まったばかりだ。
5人時代のクォリティーの高さも、既存のアーティストのライブの形式も望まない。
もし、私が5人時代の彼のライブに行っていたなら、彼の歌にこれほど執着しなかったかもしれない。
ジェジュンという歌手は、何のコンテンツもいらない。
時には、バンドさえもいらない。
マイク1本あれば、十分、勝負出来る歌手である。
だから、私は、彼が、彼の考えで作り上げようとする世界に浸るだけだ。
この8年、まともにコンサートなどほとんど開けていない歌手が、あれだけのステージとパフォーマンスで、多くの観客を動員する。
いつも前を向いて、進歩することだけしか考えていない彼が、同じスタイルでコンサートを行うのであれば、それが、今の彼の最善の形なのだと思う。
私は、会場に、監視役のように目を光らせる人間がいないだけでも、今度のライブは、十分だと思っている。
彼と一緒に少しずつ、前を向いて、歩いていけたらいい。
少しずつ、彼の考えに沿った独自のスタイルが作り出せればいい。
まだ、日本活動は始まったばかりなのだ。
8年待ったのだ。
ゆっくり進めればいい。そして、ゆっくり楽しみたい、彼の進化を。
最初から完璧なものなど求めないで……。
新人ジェジュンの初めての日本ライブを心から楽しみたいと思っている。
ライブのチケットエントリーが近づいている。
身に覚えのない誹謗中傷をされるのは、心外なので、ひと言書いておきたいと思う。
批判している人達は、何を勘違いしているのか知らないが、私は、今までのすべてのチケットは、誰もがエントリーする方法で手に入れたもの以外にはない。たまたまいい席だったときもあれば、悪い席だったときもある。私などより、ずっといい席に観ている人もアメンバーの中にはいる。批判されるような覚えは全くない。一体、何を根拠に批判するのだろうと思う。
また、サポートに関しても、私が行なってきたサポートなどは、誰でもが行えるものであって、何も特別なものでもなんでもない。ただ、誰も行わなかっただけのことだ。「部外者には、とやかく言われたくないです」とサポートに参加している人が言ったが、確かに何も知らない部外者にとやかく言われる筋合いもない。そして、批判されたからといって、サポートが終了するわけでもなく、それも含めて、部外者には関係のないことである。そういう人達は、目の前の私という人間を批判することに躍起な近視的視点しか持たず、癒着だと言って批判することは、ジェジュンに対して失礼な行為なのだということも想像出来ないのだろうと思う。今までいくつもサポートを行ってきたが、必ず批判された。それでも、私は必要だと思えば、どんなに批判されても行なってきた。
こうやって書けば、また、批判するのだろうが、本当に癒着しているのであれば、サポートなどという面倒なことはしない。その特権だけをこっそり自分だけの為に使う。
「そんな誰でもわかりそうなこともわからないのでしょうかね」とG-DRAGONファンの知人は、一連の喧騒を知って笑った。
 
 
チケットのエントリーは、もうすぐですね。
本当に彼を応援する人が、チケットを手に入れることを願っています。
サイレントマジョリティー。
多くの一般的なファンに当たりますように。
 
今夜は、「ジェジュンに恋して」ですね。彼の大好きな台本のない生番組でのトークでのハプニングを楽しみたいと思っています。
私は、今から仮眠します。おやすみなさい(笑)