ジェジュンは、「自分にはファンしかいない」と言った。
きっとジョンヒョン氏もそうだっただろうと思う。
スターの抱える孤独は、ファンの愛情だけが頼りだ。

しかし、昨今のファン社会を、私は異常に感じることがある。
「物申すファン」として、スターの批判を堂々と繰り広げ、SNS上に拡散させながらも、平気でファンと名乗る人達。
本人のtwitterやインスタに平気で批判コメントを送りつける。

批判を繰り返す人達は、知っているだろうか。
時にその批判が刃となって自分の好きなスターに襲いかかる事を。
刃は、常にプレッシャーとなって、彼らの心の自由を奪い尽くす。

自分には、ファンしかいない、と感じているスターが、ファンから刃を向けられたと感じるとき、彼らは何を信じることが出来るのか。

韓国芸能人だからこそ、その刃を向けられるファン構造は当然で、それに耐えることが当たり前だとしたら、こんなに辛い社会はない。

 

人気歌手ジョンヒョンさん死去、韓国芸能界の闇を浮き彫りに

Kポップの人気男性アイドルグループ「SHINee(シャイニー)」のメンバーでリードボーカルのキム・ジョンヒョン(Kim Jong-Hyun)さん(27)が18日、ソウルのホテルで自らの命を絶ったというニュースは、世界中のファンに衝撃を与えた。

5人編成の「SHINee」はこの10年間アジアを制覇している韓国のポップカルチャー、「韓流」の第一線で活躍してきた。2008年のデビュー以来、アルバムは次々に国内外でチャートの首位に輝き、コンサートチケットは完売するなど名声と富を手中にしていた。

■10代からかかる過酷なプレッシャー
だが 韓国芸能界の華やかな輝きの底では、健全なイメージを是が非でも常に保つために、熾烈(しれつ)な競争、プライバシーの欠如、インターネット上でのバッシングや世間から受ける容赦ないプレッシャーといった現実がきしんだ音をたてている。

ジョンヒョンさんのような若手スターの多くは通常、10代半ばかそれよりも早い時期にエージェントに選ばれると、歌やダンスの過酷な訓練を受け、常に付きまとう激しい選抜を生き抜いていく。休暇はほとんどなく、多くはエージェントが用意した寮のようなアパートにバンドのメンバーと共に住み、プライバシーは手に入らないぜいたくとなる。バンドの音楽スタイルから食事の内容、携帯電話の使用に至るまですべてをエージェントに指示され、異性との交際はたいてい禁止だ。

人気Kポップ歌手のキム・セジョン(Kim Se-Jeong)さんは今年初めのテレビインタビューで、4日間で合計1時間しか睡眠時間がなかったことがあると告白した。「ステージとテレビ番組の出演、コマーシャルの撮影が一度に同時にあったのです」

 

■ファンと悪意ある批評家は紙一重
「ファンダム」と呼ばれるアイドルごとのファン層が原動力となっている芸能界の中で、韓国の多くのスターたちは完璧な外見と完璧な振る舞いを要求されるとてつもないプレッシャーに直面している。

それぞれのファンダムは非常に組織力が強く、お気に入りスターのために多大な時間と金銭を費やし、ヒットチャートでの上昇を後押しし、ライバルスターに対して攻撃もする。だが、この最も熱狂的なファンたちは、アイドルが自分たちの期待にそぐわなくなると「裏切られた」と捉え、明日には最も悪意のある批評家にもなり得る。

スターたちはそうした業界を注意深く進んでいかなければならない。薬物使用や飲酒運転はキャリアを破壊するものとみなされ、ソーシャルメディアでの失言から、公の場で笑顔を絶やしたといったことに至るまで、あらゆる振る舞いがその後、何年間も批判の対象にされ得る。

 

■勝者独り勝ち社会の縮図
多くのスターはパパラッチやカメラを構えたファンに常に追い回されている。スターの言動の細かいあれこれや日常生活の画像はインターネット上で投稿されたり売買されたりして、世間の目にさらされる。

芸能評論家のキム・ソンス(Kim Seong-Soo)氏はAFPの取材に「彼らアイドルは金魚鉢の中に住んでいるのと同然で、幸せそうな笑顔と行儀のよい振る舞いを、24時間365日強いられている」と語る。

有名人にとってそうした問題は世界共通だが、インターネット接続とスマートフォンの普及率で世界の上位に立ち、おまけに右ならえの同調圧力が強い韓国ではそれが増幅されるとキム氏は言う。さらに精神の不調に対する社会的タブーが、有名人を含め多くの人々に、医療の助けを求めることを躊躇(ちゅうちょ)させていると指摘する。

ジョンヒョンさんの自殺は、人気絶頂の最中にあったKポップミュージシャンとしては珍しい。だが、韓国の芸能界での自殺の例は枚挙にいとまがない。2008年にはインターネット上で中傷を受けていた女優チェ・ジンシル(Choi Jin-Sil)さんが命を絶ち、2010年には日本や中国でも人気のあった俳優のパク・ヨンハ(Park Yong-Ha)さんが、昨年は元俳優のキム・ソンミン(Kim Sung-Min)さんが自殺している。

だが、有名人の自殺は、教育現場から職場まであらゆる場所でのしのぎを削る激しい競争とセーフティネットの欠如という、韓国の広範な社会問題の縮図にすぎないとキム・ソンス氏は語る。「わが国は勝者が独り勝ちする極端なシステムの社会。負けたら最後、復帰はおろか、生きることさえ難しくなる」

【翻訳編集】 AFPBB News

 (文章の全部及び、一部無断掲載、転載の一切を禁じます)

 


ジェジュンの弔問時の服装について、批判があると聞いた。
批判を巻き起こしているのは、彼のファンだそうだ。
彼の弔問の様子を見れば、服装に関心が行くより、マスクの上から口許を押さえ、泣いて顔もあげられないほど傷ついた彼の心情に心を馳せるのが、ファンだと思う。

Moldirといい、KAVEといい、果てはJAEFANSまでアラを捜して批判するというのは、どういう気持ちなんだろうと思う。
彼の一挙一動をチェックして、何やかやと批判を繰り返す。
そうやって彼の批判をして、何かを得るのか。
それともファンとしての自負なのか。

 

彼女達から言わせれば、彼の心情を汲み取って、彼の側に立ち、擁護するのが当然だと思う私の感覚の方が、どうもおかしいらしい。

この7年、ファン社会にいて、彼への批判が、ファンの中から起きる現象に違和感を覚えていたが、この記事を読んで納得した。

 

ファンと悪意ある批評家は紙一重。

 

7年。韓国式のファンスタイルに慣らされて、日本ファンもすっかり韓国ファンと同じ気質になったのだと感じた。

 

彼に日本事務所との専属契約をして、と言いながら、

彼に日本の芸能界で正式な活動を求める、と言いながら、

彼に日本式のビジネスをしろと言いながら、

日本式のファンクラブを求め、日本式のマネージメントを求めると言いながら、

 

ファンは、韓国式の批評家になっていく。

 

東方神起時代に彼が愛した日本のファンスタイルはどこに行ったのだろう‥‥‥。

 

彼の弔問スタイルを批判する日本のファンの存在を知ったときの彼の悲しみを感じて、私は、心が痛かった。