ブログを書き始めて7年。

誹謗中傷の百貨店と思えるほど、ありとあらゆる事を経験してきた。

私は、ファンになったその時から、ジェジュン以外興味がなかった。
もともと芸能界に興味がなく、歌手を追いかけるという経験も誰かのライブに行くという経験も持たなかった。
たまたま娘と娘の友達が、韓国に旅行した折、ハングルで書かれた看板や印刷物を何も読めなかったのが悔しく、大学で担当教授に頼み込んで、専門外の韓国語の授業を聴講し始めたのが、彼女達が東方神起に出会うきっかけだった。
語学を勉強するには、歌を聴くのも1つの方法である。
確か、東方神起とかいう韓国のグループがあったよね、というぐらいの認識から、彼女達の興味は始まった。それが2009年5月。
同年8月には、たまたま大学の近くでa-nationが開かれた。それを見に行ったのが彼女達の東方神起に嵌るきっかけだった。
東方神起最盛期、東方神起音楽の完成期にファンになった彼女達は、彼らの音楽についての評価を私に求めた。
即ち、歌を歌っている専門家として、彼らの音楽をどう思うのか、ということだ。
でもその頃の私には、全く彼らの音楽に興味がなかった。
リビングでは、毎日「どうして…」が鳴り響き、毎晩、イヤフォンでは、次々、曲を聞かされた。
あの頃の記憶は、ただ、聞かされた、という記憶だけで、全くどんな曲だったのか、誰の歌声だったのかの記憶もない。

人間というものは、不思議なもので、興味がないときは、どんなにいい曲、いい歌声を聴いても素通りになる。
東方神起というより、芸能界に全く興味がなかった私には、JPOPの曲を聴いても、単に耳を素通りするだけだった。それよりも浪人中の息子の受験のことで、余裕がなかったとも言える。
それが、年末からの分裂騒動で、ハッキリと東方神起というグループの存在を知ることになった。
視覚から入った記憶は、NHKのクリスマスソングを歌う彼らと最後の紅白。
その時のことは今でもハッキリ覚えている。
5人の後ろ姿を見ながら、何の事情も知らなかったが、もう二度と5人で歌うことはないのだろうと感じたのを記憶している。
あの後ろ姿は、その後の彼らの進む道を象徴的に現しているように感じた。

そうやってハッキリ東方神起というグループを認識して、曲を聞かされると、一人の歌声だけが、本格的な発声法に基づいて歌っていることを知った。
東方神起では、5人で歌うために短いセンテンスしか与えられない。
しかし、その歌声は、どんな音域でも、どんな短いフレーズでも、正確に響く綺麗な頭声をしていた。
ポップスを歌う若い人にそのような歌い方をする人がいることに驚いた。さらに彼の歌声は、私の好きなハイバリトンで、甘い響きをしていた。
いつも聞き慣れているクラシックの好きな声と共通の響きを持っていたのだ。
だからその歌声に強烈に惹かれた。
その声の持ち主が誰なのか突き止めたかった。
そうやって、私は最初から、ジェジュンだけのファンになった。
歌声から惹かれた私は、彼のビジュアルをあとで認知することになった。
これが、私が彼の歌手活動に強くこだわる理由なのだと思う。

それからは、普通のファン生活をするはずだった。
アルバムやCDを買い、テレビを観る。
その程度のファン生活。
でも彼らの分裂騒動と、それにまつわる誹謗中傷合戦が、私の探究心に火を点けた。
真実が知りたいとネットを徘徊し、娘たちに引っ張られるようにして、THANKSのライブに出かける羽目になった。
実際にこの眼で見れば、彼がどんな人なのか、批判されているような人間なのかわかる、とも思った。

そして、確信した。
彼の中にある誠実さと真摯さを。

歌の世界で長年仕事していれば、歌を聴くだけで、その人の人間性がわかる。
歌は正直で、嘘をつけない。
歌を聴けば、どんなに言葉で取り繕うと真実は丸見えになる。

彼の歌には、嘘がなかった。
彼の歌からは、彼の誠実さや、物事に真摯に向き合うスタンス、嘘がつけない不器用さや、素直な気質しか感じられなかった。

彼からは、分裂に至った経緯も何の説明も、何の言い訳の言葉もなかった。
それでも彼を信じることが出来る、と確信した。
それが、彼のファンとしての自覚の始まりだったように思う。

何度も書くように、彼が、7年前、あのまま日本活動を続けていれば、私は決してブログを書いたりしない。
ブログの世界もファン社会も何も知らないで、この世界に入った。
ただ、彼のことについて、自分の気持ちを書く場所が欲しかった。
ただ、それだけだ。

昔から情報を追うのが苦手だったし、好きでもなかった。
だから、気に入った人のブログ以外は読まない。だから、今でも情報には疎い。
どこに誰と行った、とか、彼の身につけているものは、何だ、とか、彼の行った店は、どこにある、とか…etc.etc.
そんな情報は、彼の歌声を求めている私には、ほとんど何の興味もない。
彼の歌について思ったことを書き、彼について感じる自分の意見を書く。
それが昔からの私のブログのスタンスだった。
だから、公開で書いているにも関わらず、自分の記事を読む人がいるのだという実感を持たなかった。
書きたいことを書いてきた。
そして、ジェジュンのことしか書かなかった。
ジェジュンにしか興味がなかったから。
他のメンバーが何をしようと、どんな活動をしようと全く興味がなかったから、何も知らなかった。
それを強烈に批判された。

私は最初から、彼の為に何かしたい、と思う人間だった。
一介のファンでしかない人間が何が出来るのか、と思いながらも、彼が日本に寄せてくれる愛情に対して、一人の日本人として申し訳なかった。
彼はこんなに日本を好いてくれるのに、日本は彼を締め出した。
それが辛かった。
一人の日本人として、純粋に彼の気持ちに報いたいと思った。

彼の気持ちに報いる為には、何が自分に出来るのか。
いつもそれを考えてきた。
だから、何か思いつけばすぐ行動に移してきた。
思いついても実現出来ない事の方が多いものだが、なぜか、彼に関して思いつけば、不思議とそれを実現することが出来た。
私が実行しているというより、必ず協力者が現れて、代わりに実行してくれた。手を貸してくれた。
そうやって、私は数々の事を実行することが出来ただけだ。
何も私の力で実行出来たのではない。私は単に思いついただけなのだから。
でもそんなファンはそれまで誰もいなかった。

出る杭は打たれる。

何か実行するたびに強烈な批判と誹謗中傷を受けてきた。
普通の主婦が、普通の母親が、ハンドルネームという本名とは別の人間になった途端、ここまで酷い言葉を平気で浴びせることが出来るのか、と感じるほどの言葉を何度も経験した。
人は、簡単に気持ちを変え、信頼を裏切るのだということを、ネットというバーチャルな世界で何度も経験した。

言葉は一人歩きをする。

真実を伝えようとしても、勝手に切り取られ、勝手に解釈され、意図されない方向へと進む。

そういうことを何度か経験してからは、何か起きても、一切語らないことにした。
何も語らないことで、さらに誹謗中傷されても、そのスタンスを変えようとは思わなかった。

どんなに真実と違うことを言われ、誹謗中傷されても何も語らない。

そのスタンスを私は、ジェジュンから学んだ。

彼も知っていたのだと思う。
どんなに真実を話しても、それが伝わないのだということを。

言葉は勝手に切り取られ、勝手に解釈され、尾ひれ葉ひれが付けられ、話したこともないことも真実にされる。
それを訂正しようとしても、決して真実は伝わらないのだということを。

ジェジュンへの誹謗中傷は酷かった。
分裂時、JYJに何かあれば、矢面に立たされた。
さらに副業に関して、彼が行動を起こすたびに酷い誹謗中傷をされてきた。
彼に聖人君子としての理想を求める人が多かった。

「話したいことはいっぱいある」

そう言っても、彼は決して語らなかった。
今も語らない。

分裂当時も、メンバーの中でただ一人、集中砲火を浴びても、ひと言の反論もしなかった。
ただ、誹謗中傷を受け続け、耐え続けた。
今も彼は何も語らない。

KAVEやJAEFANSの批判を目にしないことはないだろう。
それでも何も言おうとはしない。
ただ、淡々と自分のやりたいこと、自分の進むべき道を決めて、歩き続けている。
自分がどうしたいのかだけを語り、実行する。

私は、彼から多くのことを学んだ。
彼の姿勢から、学ぶことが多かった。

そして、ひと言の反論をしなくても、信頼してくれる人はいるのだということを知った。

人は、よく見ている。

自分の気持ちに誠実に向き合い、淡々とやるべきことを行えば、ひと言も語らなくても、見ている人はいるのだと知った。

真実は自分だけが知っていればいい。
真実は、自分しか知らない。
それでも人は見ているのだと知った。

だから、きっと彼も何も語らないのだと思う。

彼のファンになってもうすぐ8年になる。

来年、彼の日本での活動が再開されたら、私は、ファンとしての出発点に戻ることが出来る。

一日も早く、単なる一人の普通のファンに戻れる日を待ち望んでいる。

(文章の無断一部掲載、または、全文掲載、転載を一切禁止します)


JAEFANSの会員証と入会記念グッズが届いた。

会員証を見た瞬間、思わず声が出た。
「あー、ジェジュンだけだ」

会員証にも記念グッズのノートの表紙にもどこにもジェジュン以外の何も載っていない。
それを見て、本当に嬉しかった。
ファンになった当初から夢見ていた光景。
ここまで来るのに、7年かかった。
やっとたどり着いた。
あと少しで、私の思い描く最終地点まで来る。
最後の上がり、まであと何コマなんだろう……。

私が思わずあげた声に、ユノオンリーの娘が反応した。
「いいなぁ…」

ふふふ、いいでしょう(笑)