ジェジュンが自分のすべてのSNSからJYJの文字を消したことに関して、彼への中傷や批判が始まっていると聴いて、7年前のことを思い出した。
3人が東方神起を離脱し、エイベックスと専属契約を結び、活動を始めた時……
あの時もそうだった。
彼だけに5人の存続の危機を背負わせた。
メンバーを繋ぎ止めれるのは、彼だけのように言われ、メンバーをあれだけ愛していたのに、どうして離脱するのか、と批判された。
ジェジュンが変わってしまった。
もう自分の知ってるジェジュンじゃない、と言って彼を批判した。
5人が分裂したのは、彼だけの責任じゃない。
それなのにまるで彼だけに責任があるように批判され、そして懇願された。
「なんとかして」
「ジェジュンが頑張ってもう一度5人を復活させて」
この5人待望論が、あの頃、一人、日本に残って活動していた彼に、一身にその期待と失望感を浴びせかけた。
その期待と失望が、どれだけ彼を傷つけたのか、ファンは知らない。
韓国に戻った時は、傷つき果てていた。
それは、摂食障害になるほど、彼の精神を傷つけたと言える。
彼はあの時、日本では一人一人を応援するファンではなく、グループそのものを応援するファンばかりなのだ、ということを嫌というほど知ったのだと思う。
だから、JYJにこだわった。
ファンに優しく、常にファンと一緒にいようとする彼は、このままJYJとしての活動が軌道に乗らなければ、ファンに顔向けが出来ないと思ったかもしれない。
東方神起が分裂することによって、日本のファン社会も分裂したのだ。
グループ全体を応援してきたファン社会を二分することになった責任を痛切に感じたのは、日本ファンの5人復活を願う声を一身に浴びた彼だけだっただろう。
他のメンバーは、分裂した当初から、ソロ活動に熱心だった。
否、ソロ活動をしたいがために分裂した、と言っても過言でないかもしれないぐらい、一人のメンバーは、ソロ活動に固執した。
そんな中で、早くから、彼は「ソロ歌手になる気持ちはない」と公言した。
十分、一人でやっていける技量を持ち、日本にあのまま残っていたなら、間違いなく、ソロアルバムを発売して、ソロ歌手としての活動が約束されていた彼が、「ソロ歌手にはならない」と言ったのだ。
それほど、彼は、ファンの気持ちを受け止めていたと思える。
そして、ややもすれば、バラバラになりかけるJYJというグループを自分の言動で必死に守り続けた。
ことあるごとに、メンバーの名前を口に出し、仕事は、二人のスケジュールや意向を優先して、自分のことは後回しにした。
ソロ活動を頑なに拒否した一年間は、彼には、モデル以外の仕事は何もなかった。
韓国では、個人ファンが当たり前だ。
個人のファンが集まって、グループを応援する。
そんな当たり前のファンスタイルの韓国ファンの気持ちに応える為に、ドラマの出演を決めても、音楽活動という面では、JYJというグループ音楽にあくまでもこだわり、グループファンが圧倒的だった日本ファンの気持ちを大事にしたと言える。
そうやって、自分は、JYJという枠から出ようとしなかった。
東方神起として一つの気持ちでデビューした頃と、JYJでは、明らかに出発点が違った。
東方神起を起点として、JYJに分裂した3人には、その起点を越える責任があったと言える。
そうでなければ、分裂騒動に巻き込まれ、3人を信じてついてきたファンに大義名分が通らない。
最初から、ソロ活動が目的であるなら、ソロとして個々に独立し、たまに3人で集まってライブをすればよかったのだ。
それを、JYJというグループとして離脱したのには、当然、グループファンとして大きなファンダムを形成していた日本ファンの存在を十分意識していたからに違いない。
各自、東方神起を離脱し、個人活動に入ったとしても、元々、個人ファンダムの確立されていた韓国においては、彼らは何も困る必要などなかったのだから。
如何に、韓国でトップアイドルの位置を持ち、アジアで、巨大なファンを持っていたとしても、日本のファンダムを抜きにしては彼らの活動は考えられなかったはずだ。
日本を去り、日本活動が出来なくなったとしても、「はい、そうですか」とそのまま手放してしまうには、余りにも惜しい巨大な市場が、日本には形成されていた。
これらのファンを取り込み、一つに纏め、韓国市場へ誘うには、JYJというグループの存在は不可欠だったと言える。
それが、ソロ活動に熱心なメンバーにJYJという呼称を捨てさせなかった理由なのかもしれない。
いずれにしても、この7年間。
否、正確には、彼が入隊中のいつの時期にJYJに対しての気持ちを整理したのかわからないから、入隊までの5年間、JYJというグループの存在を守り続けてきたのは、ジェジュンだけだったと言っても過言ではないだろう。
彼ほど、JYJという呼称を使い、JYJの存在を何かにつけ、メディアにアピールしてきた人はいない。
ドラマのインタビューであっても、必ず、JYJの話題に言及したのは、彼だけだった。
だから、ジェジュンファンは、彼がどれほど、JYJにこだわり続けたのかも、JYJを愛したのかも、十分すぎるほど知っている。
私は、東方神起時代のファンではなかった。最初から、彼だけのファンだった。
それでも、彼が東方神起もJYJもどれほど愛し、大事にしてきたかを知っている。
その彼の気持ちが痛いほどわかるから、JYJの署名活動もしたし、新聞広告も企画したし、ラッピング車も走らせた。
「オンリーのくせにJYJを応援するのは許せない」と批判されたが、彼が、JYJというグループに所属し、JYJ活動を希望していたからこそ、彼の気持ちに添いたいと思った。
だから、当時、日本で完全に封じ込められていた「JYJ」という名前を広く一般社会に拡散させる目的で、新聞広告もラッピング広告も計画したのだ。
もし、彼が、他のメンバーのように、JYJというものに固執せず、ソロ活動に没頭し、ときおり思い出したかのように、気まぐれ(としか思えない)にJYJという言葉を言い、活動するなら、私は、全く、そんなものを企画しようとは思わなかっただろう。
私が歯がゆくなるほど、彼は、自分のことを後回しにして、JYJ活動にこだわった。
実態もないJYJというグループの存続と活動にこだわり続けたのは、彼だった。
それでも彼がJYJにこだわるのなら仕方ないと思った。
どんなに不合理な扱いを受けても、どんなにメンバー間でJYJ活動に対する温度差を感じても、彼がJYJにこだわるなら、それを受け入れるしかないと思った。
彼が、ソロコンやソロファンミにおいて、メンバーやJYJの名前を出すたびに、何とも言えない気持ちになった。
傷ついたファンも多かったと思う。
こんなに彼だけを応援しているファンがいるというのに、彼は、自分のファンに対して、JYJやメンバーへの愛情を見せるからだ。
ファンは、彼だけを愛しているのに、彼は、ファンだけに愛情を注がず、必ず、JYJファンやメンバーファンに気遣いを見せた。
彼が気持ちを傾けるのと比例するだけの愛情を彼らから感じたことはない。
いつも他のメンバーから感じたのは、先ず自分の活動が一番であり、自分だけのファンが一番だという事だった。
JYJというグループを応援しているファンは、何もJYJのコンサートの時だけ存在するのではない。
常に存在しているにも関わらず、ソロ活動の時には、まるでそんなファンは存在していないかのように、まるでそんなグループは存在していないかのように、自分だけの活動を自分だけの発言に終始する姿を見た。
その度に私は虚しい気持ちになった。
どんなに彼がJYJをまとめようとしても、元々の気持ちの出発点の違う人間は、自ずと見えている着地点も違うはずだからだ。
彼の気持ちだけが、空回りしていくのを見るのは、辛くてたまらなかった。
だから、私は、彼だけのファンを増やそうと思った。
他のメンバーには、当然、強固な個人のファンダムが形成されていて、それが当たり前。JYJの活動であっても、個人を応援するのに対し、彼のファンダムだけは、グループファンが多数混在していたからだ。
彼にJYJという、ややもすれば、単なる呼称でしかない集合体を、実態のあるものにして欲しい、と願うファンの期待が、彼だけに向けられ、彼のファンダムを構成していたとも言える。
いつも彼だけに背負わせるグループの存在。
その存在が、彼の自由な羽根をもぎ取っている足枷の一つだとは気づきもしないで、彼の優しさ、という感情のすき間に入り込んで、彼をがんじがらめにしてきた。
それは、ファンも彼自身も気づかないほど、彼にそれを背負わせるのは、5人時代からの慣例だったのかもしれない。
そんな彼が、除隊後は、一言も、メンバーの名前を発さなくなった。
メンバーどころか、JYJの名前すら語らなくなった。
それは、私から言わせれば、彼の心の中で、JYJというグループの存在が、やっと他のメンバーと同列になったというだけなのに、彼の変化だけが、取りざたされた。
いつも思う。
彼は、自分の事だけを考えてはダメなのか。
彼は、自分の人生だけを考えてはいけないのか。
自分の幸せだけを願ってはダメなのか。
なぜ、彼だけが批判されるのかわからない。
他のメンバーが、自分だけの人生や自分だけの幸せを優先するように、彼だって、自分だけの人生も幸せも優先する権利があるはずだ。
彼にJYJを背負わせ、JYJの存続を求めるなら、同じように自分の贔屓のメンバーにJYJを背負わせ、存続を求めればいい。
彼らだって、JYJのメンバーなのだから。
それをしないで、彼だけに要求するのは、お門違いだろう。
彼は、7年、JYJを背負い続けた。
もうそろそろバトンタッチしてもいいはずだ。
彼には、入隊中も、JYJとしての役目を押しつけ、JYJのメンバーとしての自覚を促した。
でも他の二人は、同じように求められていない。
この差別感、この格差感が、JYJというグループのすべてなのだと思う。
JYJというグループは、彼がその存在も呼称も繋ぎとめていただけで、実態などほとんどないに等しい。
如何に実態のないグループなのかということは、韓国でも日本でも証明されている。
入隊中に出会った一般人からの彼の呼称は、「ヨンウン・ジェジュン」
kaveオープンイベントで集結したファンの説明に納得した通行人の認識は、「元東方神起のジェジュン」だ。
これが現実であって、そのどこにもJYJの呼称はない。
そんな幻のようなグループに彼はこだわり続け、縛られ続けたと言える。
彼よりも早く見切ったのは、ファンの方だった。
JYJとしての日本への帰還より、彼個人としての帰還を願ったのは、当然の成り行きとしか言えない。
彼が、JYJという文字を消した日。
私は、やっとここまで来た、と思った。
やっと彼は、自分だけの人生を考え、自分だけの幸せを考えるようになったと思った。
そして、自分だけのファンを信じている。
彼は、今、何の縛りもなく、やっとジェジュンという一人の人間になった。
やっと何の冠もなく、ただのジェジュンになったのだ。
彼は、一人で日本に帰ってくる。
彼の帰りを待っている。
※
彼の個人ファンクラブの運営・管理を「ケイダッシュ」が行う。
「ケイダッシュ」が、韓国の会社だという説があるが、それには同意出来ない。
なぜなら、Cjesを出ない彼が、韓国でCjes以外の事務所と組む理由が見つけられないからだ。
彼の個人ファンクラブは、Cjesが喉から手が出るほど、その権利が欲しいはずだ。
JYJのファンクラブの会員数が大幅に減少し、彼がJYJ活動をしないと決めたのであれば、なおのこと、今後は、JYJファンクラブの存続さえも危うい。
そんな中で、個人のファンクラブを立ち上げ、運営することを、Cjesが考えないはずがない。
除隊前に、フライングし、大ブーイングされたルックコリアが再度、手をあげてもおかしくない。
Cjesにいながら、他の韓国事務所と組むことは不可能だと思える。
彼が、Cjesを出るというのなら、それもありかもしれないが、彼は、当分は、Cjesに籍を置いたままで、日活を再開させると思われる。
日活だけを他の事務所と組むことは十分可能な話だ。
なぜなら、Cjesは、日本のどの事務所とも提携していないからだ。
日本のケイダッシュと、韓国のケイダッシュは、全く別の会社だ。
そして、韓国のケイダッシュは、彼に日活をさせるほどの力を持っていない。
ドリフェス出演を決めさせ、週刊誌やスポーツ新聞というメディアに記事を書かせ、特集を組ませるには、マスコミにそれだけの影響力を持つ会社でなければ、到底出来ない。
韓国のケイダッシュが、日本のマスコミにそれほどの影響力を持つ会社だとは、思えない。
ケイダッシュの川村社長は、2月、横浜の会場にいた。
アリーナの玄関ホール2階から、入場してくるファンの動向をチェックしていた。
それは、ジェジュンという商品の価値を一瞬で見極めるハンターのような目だったかもしれない。
川村社長が来た日、ジェジュンは、非常に緊張していた。
彼自身も、それが何を意味するのかということは、わかっていたはずだ。
ケイダッシュの名前は、入隊前も何度か出ていた。
除隊してもなお、人気を保持し続ける彼に、本気で、食指を動かしたのは、あれが始まりだったのかもしれない。
何にしても、kaveを立ち上げ、どんな形であっても、日本に戻ってくる。
たとえ、芸能活動ができなくても、日本という市場を自分は決して手放さない。
決して忘れない、という決意を見せたことが、日本の業界人の食指に触れたことは確かなことだと思う。
今まで、すべてCjesという窓口で潰されてきたオファーが、kaveという別の窓口を日本に持つことは、彼の日活への扉を大きく開いたと言えるだろう。
そして、日本の業界から言えば、JYJなどという実態のないグループに商品価値など見いだせない。
ジェジュン個人だからこそ、商品として、十分に勝算があると値踏みしたに違いないのだ。
ジェジュン、というのは、芸能界にとっては、あくまでも商品だ。
商品としての将来性、可能性、価値。
それら全てが、芸能人として存在出来るかどうか、非常に重要な要素になる。
そういうことから言えば、彼が、JYJの文字を消したのも、当然の選択だったと言えるはずだ。
彼は、芸能人として生きていかなくてはならない。
東方神起のいるエイベックスに戻る道は残されていない。
日活をしている頃、最大の後ろ盾だった松浦氏の元に戻ることは大義名分が立たない。
それなら、それ以外の後ろ盾を持つしか、日活を再開させる方法はない。
彼は、日本に大きな後ろ盾を持ったと言える。
鏡の中の自分を見据える鋭い眼差しに、自分の将来だけを見つめる強い決意が見えるような気がした。
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