「ファンは傷ついた心を癒してくれる人」

これほどに自分だけのファンを求めている人がいるだろうか。
自分の傷ついた心は、ファンだけが癒してくれる。
それは、紛れも無く自分だけのファンに向けた言葉であって、そこにグループもメンバー全員のファンも求める気持ちは感じられない。
自分とファンだけの関係を語った言葉でしかない。

彼が日本活動が打ち切られた時……
もっと遡れば、Cjesに入った時から、こうなることはわかっていたのかもしれない。
古くからのファンなら、彼が韓国へ戻れば、どういう扱いをされるかは想像が出来たはずだ。私なんかよりずっとファン歴の長いファンはたくさんいるだろうに。
私のようなものでも想像出来るのだから、デビュー当初から彼を見てきたファンなら、当然わかっていたはずだ。

韓国という場所で、彼が自分を自由に表現出来るかどうか、そんな事は、それまでの彼のあり方を知っている古いファンなら、当然予想出来たはずではなかったのか。
それとも、日本という場所で、メインヴォーカルのポジションを手に入れ、グループ1の人気を持ち、ドラマまで出た彼なら、韓国へ戻っても、以前とは違う扱いをされるとでも考えていたのか。
日本の芸能界とは全く違う価値観を持つ韓国の芸能界で、日本で認められた彼が、同じ扱いをされるとでも思っていたのだろうか。

日本活動が打ち切られた最大の理由は、Cjes代表者の経歴だった。その経歴をどんなに虚飾の言葉でごまかしても、根幹にある本性は見え隠れする。

東方神起時代から培った巨大なファンダムをそっくりそのままCjesが取り込むには、日本人の好きな「みんな平等に応援」「グループ全体を応援する」という括りの中に取り込まなければならなかった。
その中でも日本で一番人気のあるジェジュンの名前を何かにつけ引き合いに出すことは、戦略の上でも非常に重要なことだったはずだ。
JYJというグループを率いる上で、最も重要な役割を果たすのは、年長者でもあるジェジュンの存在だ。
彼にリーダー的役割を与える代わりに、メインヴォーカルを奪い取ることなど、お手の物だっただろう。
彼をメインヴォーカルから下ろす事をファンに納得させるには、「JYJのメインヴォーカルはジュンスだ」と彼の口から語らせることが重要なことだった。

彼が本心からそれを語ったのか、それとも語らせられたのか。
その瞬間に、彼の役割は、中心から巧妙に外されていく。
それをメンバー愛、グループ愛という言葉でカモフラージュすることが最も重要な事だったはずだ。
だからこそ、JYJというグループ名をチラつかせ、グループの絆を強調し、メンバー個人だけのファンが増えないように画策したのかもしれない。
ジェジュンだけのファンが増える事を最も警戒し、ジェジュンのメンバー愛を何かにつけて強調し、彼にもその発言を強要してきたはずだ。

彼以外のメンバーには、始めからJYJ活動する事よりも個人活動することの方が重要だった。しかし、巨大なファンダムをそのまま個人のファンダムに活用していくためには、どうしてもJYJという枠組みとグループ全体を応援するという日本独特のファンスタイルは維持させなければならなかったのだ。

2012年当時、彼へのオファーが難しい。事務所がスケジュールの多忙を理由に断り、彼にコンタクトを取れないという話は業界では有名な話だった。
それでも彼自身は、何も知らなかっただろう。
完全に情報を操作され、自分には何のオファーもない、韓国ではダメなのだという認識だけが植え込まれていく。
その認識は、2013年の横アリ直後、「日本から何のオファーもない」と言って自信喪失させ、浜スタで彼に「いつ日本に来れなくなるかもしれない」という不安をファンに吐露させるほど、成功したものだった。

その頃、どれぐらいのファンが彼の置かれている状況に気づいていただろうか。
彼の最も身近にいて、いつも彼のコンサートに寄り添うようにしていた韓国人は、巧妙に彼に近づき、彼をマインドコントロールしていく。
即ち、彼は、日本ではそれほど人気もなく、今さら日本に戻ってもかつてのように活動出来る訳じゃない。
日本では、JYJを待っているファンが多く、彼だけを待ち望んでいるファンはそんなに多いものでもない。彼のコンサートにもJYJファンが多く来ている。
彼から与えられた日本の情報によって、彼はずっと自分は日本ではもう人気もなく、ダメなのだと思い込まされていた。
日本活動は難しく、日本事務所と契約することなど出来ないと吹き込まれていた。

その人物の呪縛から離れたのは、翌年の名古屋だった。
名古屋のコンサートにその人物はいなかった。そして、それ以降、彼の活動にその人物は関わらなくなった。
そうやって、彼は一つのマインドコントロールから解放されたように思えた。

こんなことを書くと、何か特別な情報源を持っているかのように思われるかもしれない。しかし、私は何も特別な情報源を持っているわけではない。むしろ、情報には疎い方だとも言える。
ただ言えることは、彼の言動、彼の事務所への処遇、事務所の物事への対応の仕方。
そういうものを注意深く観察してきただけだ。
彼が生きる韓国という国の社会的状況、人族的意識、国民性、価値観。韓国芸能界、そして、代表が起こした過去の事件の真実を知ること。
彼の状況を知りたいと思った時、そういうものを避けて通ることは出来ない。
目を瞑って彼の見えている部分だけを揶揄することは出来ないと感じただけのことだ。
そういう情報を知れば知るほど、彼がSMを出てまで望んだエージェント方式のマネージメントをきちんと出来る事務所なのかどうか、疑わざるを得なかった。

今、あの頃の事、過去の事を知らないファンが多いと聞かされた。
オンリーだと言うのに、余りにも何も知らない人が多いです、と聞いた。

ファンというのは身勝手な存在だと思う。
あれだけJYJ,JYJと言い、メンバーの愛情を彼に求め、JYJの絆を彼に求め続けたファンが、今は、彼に一刻も早く事務所を出て、一人で活動することを望んでいる。

どうやら事務所イチオシの歌手は、入隊が来年の後半になるらしい。
双子の規定と31歳公役任務の情報が出された時から、その事を狙っていると感じたのは私だけではないだろう。

ジェジュンの除隊後、半年以上、活動が被ることになる。
その時、見たくもないものを見る羽目になるだろうことは、目に見えている。

扱いの違いは、もう多くのファンの知るところとなった。
当然、メンバー愛に溢れたショット、映像、そして発言……
JYJファンの大好きなイチャイチャしたツーショットを見せつけられるはずだ。
その度にオンリーとしての心は不安と疑心に揺れ動く。
そうやって彼だけのファンダムに揺さぶりをかけてくるのは目に見えている。

何の為に入隊を遅らせるのか。
それは、自分の留守中に彼がブレイクすることが不安で仕方がないからにほかならない。
彼の人気、購買力、ファンダム。
それら全てを奪い取らない限り、安心して入隊など出来ないだろう。
そして、彼が自分達の檻の中から飛び立たないように、厳重に監視し続けなければならない。
そんなわかりきった構図の中に彼は戻ってくる。

もし、彼が、事務所を出なかったら……
どんなに理不尽な扱いをされても、このままCjesに留まる道を選び、たまにうわべだけのJYJ活動をし、日本に集金に来るだけの活動をしたとしたら、ファンは彼にとってどのような存在になるのだろう。

あの事務所にいる限り、日本活動の方針は変わらない。
日本事務所との正式契約はなく、あくまでも外タレとしての来日活動しかない。
なぜなら、それで日本活動は十分、集金出来るからだ。
身入りが多い方がいいに決まっている。
だからこそ、旅行会社を子会社化し、ファンの落とす金が日本側に流れないような仕組みを作り上げたのだ。

Cjesという事務所は一筋縄でいく相手ではない。
事務所が最も警戒するのは、彼の独立と日本事務所との単独契約だ。
その契約を阻止するためにだったら、どんなことでも行うだろう。
彼を失うことは、最大のドル箱を失うことであり、彼が日本事務所と契約し、日本で成功することは、事務所とイチオシの歌手にとっては、最も屈辱的なことだからだ。
何度も何度も赤字覚悟で来日コンサートを行うのは、来日する目的があるからで、躍起になって日本側の引受け手を捜しているとも考えられる。
それほどに日本市場は大きく美味しい市場なのだ。
彼よりも先に日本市場を手に入れ、引受け手を見つけることは最優先事項なのだ。
多くのファンが望む、彼の日本事務所とのソロ契約。
それを阻止するためになら、どんな汚い手でも使ってくるだろう。
それが代表が過去に起こした事案だからだ。
そして、次に行う時には、もっと巧妙になる。
決して自分が犯罪者にならないような手立てをしているはずに違いない。
除隊は、そういう人物を常に相手にしている環境に彼が戻る事を意味する。

除隊後すぐにでも事務所を出て独立を求める声や、日本事務所とソロ契約が出来なければ、ファンを辞めると公言してはばからないファンも多いと聞く。
しかし、オンリーとしての本当の正念場は、除隊後から始まると私は考える。

彼がCjesに入ってからの6年間。どんなに彼が蔑まれても、酷い扱いを受けてきても、彼と一緒に耐え忍んで来た。
あの頃からオンリーだったファンには、思い当たる節がいくつもあるはずだ。
同じジェジュンファンから批判されることに耐え、彼が歌う場所さえ与えられないことにもじっと耐えてきた。
そんな経験から思えば、本当の正念場はこれから始まる。
今までのように彼がカモフラージュしても、裏で何が行われているかを私達は知ってしまったのだから。
その時、彼がただその扱いに耐えているのを、一緒に耐えることができるのだろうか。
ただ、彼を見守り、彼の決断を受け入れることが出来るのだろうか。

もし、彼が事務所を出なかったら…
除隊後も日本事務所と契約出来ず、日本活動が出来なかったら…

そうなれば、Moldirのランチングショーの時のように、彼を非難し、彼に上から目線で物を言うのではないのか。
今ですら、除隊後も事務所に留まるようなことがあれば、ファンを辞めると平気で彼に直リプするファンがいるのだから。

その時、ファンは彼にとって「心の傷を癒してくれる人」になるだろうか。

今は、オンリー、オンリーと言うけれど、何が起こっても、どんな状況になっても、オンリーであり続ける人がどれだけいるのだろうか。

彼の言葉を読みながら、ふと思った。