親愛なるジェジュン様

お元気でらっしゃいますか?
あなたの服務する龍仁市は、凍るような寒さですね。
極寒の中、あなたは夜警や見張り番をしながら、何を思うのでしょう。
日本のことを思う夜もあるのでしょうか。

お誕生日おめでとうございます。
人生で二度とない軍隊でのお誕生日ですね。
あなたの軍隊での経験が、あなたの人生にとってきっとかけがえのないものになると信じています。
30代の始まりの年、20代のあなたとは違う、新しい始まりの年であるように願っています。

毎年、お誕生日に贈り物をくれるあなた。
お誕生日には、あなたに贈り物をしなければいけないのに、いつもあなたからの贈り物を受取ります。
今年、あなたは、ファンが切望する新しい曲をプレセントしてくれる。
30代の歌手ジェジュンの始まりですね。
これからの10年間、あなたはどんな姿を見せてくれるのでしょう。
あなたと一緒に歩いていける私はとても幸せです。

6年前のちょうど今頃、私はあなたのファンになりました。
いつも1月が来るとその時のことを思い出します。
人生で初めて芸能人のファンクラブに入ったこと。
解散報道の中、売上げを伸ばしたくて、何枚も何枚もあちこちのショップで購入したこと。
挿入されているフォトカードにあなたがいなくて、初めてネットを使って、カードの交換を申し込んだこと。
その時、知り合ったあなたのファンとは、今も交流しています。

完全に出遅れたファン生活の中で、少しでも過去のあなたを知りたくて、ネットの映像を探し回ったこと。
毎日、車の中では5人の歌声が鳴り響き、あなたの歌声だけを探し求めて聞いていたこと。
あなたの歌声だけが聴きたいと願ったこと。

あの頃は、あなたのお誕生日がいつなのかも知らなかった。
あなたの抱えている事情も知らなかったし、あなたがどんな人かも知らなかった。
ただ、私はあなたの歌声だけを求めていた日々でした。

あなたのファンになって知らない世界を知り、楽しかった。
あなたの歌声が聴けることが幸せでした。

音楽の仕事をしてきて、多くの歌手の歌声を聴いてきました。
音楽はいつも私の側にあったけれど、歌声で癒されることはなかった。
私の心を癒すのは、ピアノだったり、バイオリンだったり…
歌声はいつも私の神経を尖らせ休ませてくれることはない存在でした。
だから、私は仕事以外では、極力、歌を聴かなかった。歌の世界から解放されたかったからかもしれません。
でも、初めて、もっと歌声が聴きたいと思った。
どんなに音楽の仕事で疲れていても、あなたの歌声だけは聴きたいと思った。
あなたの歌声は、いつも私の琴線に触れて、疲れた私を癒してくれる。
そんな歌声に初めて出会ったのです。

楽しいファン生活の始まりでした。
その頃、あなたは一人日本にいて、ドラマ出演を確定し、あちこちの番組に出るようになりました。
私のファン生活の記憶は、あなたのソロ活動からの始まりでもあったのです。
あなただけが出ている番組を観て、あなただけが出ているドラマを観ました。
私の中では、あなたは最初から「ジェジュン」であって、○○の「ジェジュン」ではなかった。

木曜日の10時、仕事を終えて飛ぶように家に戻り、テレビの前に陣取って、あなたのドラマを観ました。
あなたは一人の歌手であり、俳優であり、テレビの中の人でした。
その頃の私は、あなたがどんな生い立ちを持ち、どんな背景を持って、どんな生き方をしているかなど、何も知らなかった。知ろうとも思わなかった。
ファンでいる限り、あなたの歌は聞けて、あなたの姿はテレビの中で観ることが出来る。
そう信じていました。

THANKSは、人生で初めてのライブでした。
それまでの私の経験の中には、全くない世界でした。
いつもテレビの中でしか観たことのないあなたを初めて実際に観ました。
初めて観たあなたは、目にいっぱいの涙を溜めていた。
3時間余りのライブは、時にとても楽しく、時にとても切ないものでした。
あなたの気持ちが痛いほど、伝わってきたから。

それでもあなたを日本でずっと観れると信じていた。
あなたが日本からいなくなるということなど、想像もしていませんでした。

6年前にあなたが日本を去ってから、あなたのことを知りたいと思いました。
あなたがどんな人で、何を考え、どんな生い立ちや背景を持つ人なのか。
歌手ジェジュンよりも、一人の人間としてのジェジュンという人を知りたくなりました。

あなたを知ることは、韓国という国を知ることにも繋がりました。
韓国という国の思想、慣習、日本に対する考え。

あなたが韓国へ戻るということ。
韓国という国で、あなたが生きていくということは、どういうことなのかを私は知るようになりました。
日本人として、韓国人のあなたのファンであるということは、どういうことなのかを強く考えるようになりました。

歌手ジェジュンではなく、一人の韓国の若者として、あなたが日本にどのような気持ちを抱いているのか、あなたにとって日本という国はどういう存在なのか。
日本で活動したということは、あなたにとってどういうことだったのか。そして日本で活動することは、あなたにとってどういう意味を持つのか。

ただ、楽しくあなたの歌を聴き、あなたの来日コンサートに行き、あなたの画像や映像を追いかけて、ファン生活を楽しめばいいという人も多くいます。
でも私は、一人の人間として、あなたという人の生き様を見守りたいと思うのです。

僅か20代の半ばで、死を覚悟しなければならないほどの人生の選択を求められたあなた。
何の後ろ盾も持たず、自分の力だけで人生を切り開いてきたあなた。
背景を持たなければ、生きにくい韓国という社会の中で、たった一人、自分の力だけを信じて人生を歩いてきたあなた。
権力と出自が全ての韓国芸能界の中で、自分の生き方を貫く為に、時には批判され、叩かれ、傷ついても、決して信念を曲げず、誠実に歩いてきたあなた。
どんなに不遇な扱いを受けても、決して諦めないで、自分の力で可能性を探り、一歩一歩、着実に歩いてきたあなた。

あなたの生き方に、私は多くのことを学びます。

そしてあなたが、これからどのように生きていくのか。
あなたが切望するものをどうやって手に入れていくのか。
それを一人の日本ファンとして見守りたい。

6年前、あなたの歌声を初めて聴いた時から、あなたがソロ歌手として生きていくことを願っていました。
あなたの日本活動がなくなったとき、あなたをどうしても日本に取り戻したいと思った。
どんなに批判されても、韓国人のあなたを日本に取り戻したいと思うことを諦めることは出来ませんでした。
あなたの日本での活躍を願い、成功を心から願っている。

「JEJUNG」としての活躍と成功を願っているのです。

あなたが日本に寄せてくれる感情に、一人の日本ファンとして何が出来るのか。
変わらず日本を思い続けてくれる韓国の一人の青年、ジェジュンという人に、日本人として報いたい。
そう思うのです。

いつかあなたが日本で涙を見せなくなる日まで。

あなたの幸せと笑顔だけを願っている。

2016.1.26