1冊の本が1月17日に出版される。
今、この本が日本で出版される意味を考えたい。
本のURLはあえて書かない。売上げに協力することはない。検索さえすれば出てくる。筆者は単なる韓流のライターだ。
この記事を書くと、またJYJペン、いわゆる絆ペンと呼ばれる人達から集中攻撃受けるのだろう。
考えの異なる人間のブログを読みに来ることは勧めない。
今、ジェジュンの状況が次々と明らかになる中で、オンリーと絆ペンは決して分かり合えないと思うからだ。
オンリーの感じる彼の不遇な状況も、事務所の明らかな嫌がらせとも取れる対応も、他のメンバーとの格差も、絆ペンと呼ばれる人達にとっては、単なる妄想に過ぎず、彼女達の批判の最たる理由は、「ジェジュンが事務所を出ないこと」に尽きるらしいからだ。
この考えに反論出来る理由はただ一つ。韓国芸能界の闇の部分を知れ、だ。大手事務所を訴えた芸能人が、一時は死をも覚悟したのはなぜなのか。そして、再び事務所を出る事は何を意味するのか。日本の状況と韓国とは全く違う。韓国芸能界の闇の部分を知らなければ、なぜ、理不尽な扱いをされても事務所に留まる芸能人が多いかの理由を知る事は出来ない。未だにパク・ヨンハの死を自殺だと信じていないファンがいることの現実は、それが何を意味するかだ。
JYJは、なぜに長期間、音楽活動から干されているのか、JYJ法という法律を作ってまで、規制しなければならない芸能界の闇の部分から目を逸らせ、彼の立場を理解しようとしないファンとしてのスタンスの違いは、埋めようのない大きな溝だと感じる。
どんなにオンリーの私達が、彼の不遇を嘆いても、「彼は立派な大人であり、物事の判断のつく人間であり、その彼が事務所を出ないのは、彼自身がそのように感じていないのであり、単なるオンリーの被害妄想でしかならない」という理屈らしい。
だから、これから書くこの記事は、JYJペンと呼ばれる人も、3人の絆を信じている人も読みに来ないで欲しい。読むな、と言っても読みに来ては、批判コメントを残すのは、よほどの暇人なのか、それとも人に汚い言葉を浴びせかけて、溜飲を下げる輩なのか、私にはわからないが、この記事は、オンリーの為にだけ書いている。
それだけは、あらためてここに記しておく。
なぜ、今、この本の出版なのか。
メンバーが全員揃わず、これからの入隊も抱える状況の中で、今から最低でも3年以上のブランクを覚悟しなければならない。正式に日本の事務所と契約もしていないJYJにとって、日本でのコンサート開催は、さらに年月を要するかもしれない。
そんな長いブランクがこれから予想されるグループの将来を過去の「絆」というひと言で縛り付けようとする意図は何なのだろうかと思う。
「絆」
日本人が最も好む言葉の一つだ。
この言葉で、全ての理不尽な状況も不公平だと感じる個人ペンの気持ちも封じ込める。
確かにJYJの道のりは平坦ではなかった。分裂した当初は、明らかに外的妨害もあったし、日本活動も封じ込められていた。
韓国においても、訴訟を起こした芸能人は葬り去られるという過去の前例通り、誰もどこも彼らに手を出さなかった。
その事実は、歴然として残る。
しかし、今、状況は大きく変わってきたと言える。
JYJで活動したのは、最初の半年だけだった。確かに筆者の書くようにworldツアーはKPOP界の悲願だっただろう。しかし、地球の裏側まで行くツアーは、裏を返せば、本国である韓国と、最も有力な市場である日本からの締め出しの結果、地球の果てまで行かなければ歌うことすら出来ない状況だったとも言えるだろう。
もし、本気で、JYJを世界的なグループにするという戦略があったなら、毎年、worldツアーは実施されたはずだ。この二つの国以外で歌うことへの妨害はなかったはずだからだ。
しかし、後にも先にも、一度きりのworldツアーだった。
それはなぜなのか。
JYJとしての活動を諦めたからなのか。それとも最初から形だけの活動であり、既成事実が欲しかっただけなのか。
アメリカまで行き、カニエ氏とコラボまでして出したアルバムはどんな戦略を描いていたというのか。そして二枚目もコラボするという話は、立ち消えた。
この筆者が、worldツアー後のJYJをどこまで知っているのか、私はわからない。
しかし、私達ファンは、その後、JYJがどのようになっていったのかを知っている。
歌手としてブレイクし、強大な需要を持っていたはずのメンバーは、その後、一人を除いて、音楽の世界を封印される。
JYJのメンバーとしての音楽活動以外に、何の需要もないようにされるのだ。
一人のメンバーは、まるで歌手だったのを忘れたかのように、俳優業に転向し、ピアノを売り払うほど、音楽の世界から遠のいた。
JYJコンサートは、まるでクリスマス気分だとまで言い、たまに歌うことを素人感覚のような歌声で楽しんだ。
もう一人のメンバーは、歌手を諦めていなかった。音楽の世界も忘れていなかった。しかし、彼の望むJYJの活動はなぜかさせてもらえなかった。
アルバムを作ることも、コンサートを開催することも全く出来ず、俳優業を選ばなかった彼は、一年近くも干された状況の中で、ただ、化粧品と衣服のモデル業だけを与えられた。
仕方なく、彼は俳優業の仕事を選んだ。ファンに忘れられたくなかったからだ。彼に俳優業の仕事しかないと思わせる為に、事務所は彼へのオファーを完全に遮断した。そして、彼に歌手としての需要がないことを思い込ませる事に成功した。
しかし、彼は歌手を諦めていなかった。音楽から遠ざかることも、歌うことを諦めることもしなかった。
俳優業を積極的に選ばない彼に、事務所は、もう一人のメンバーの歌手活動の隙間を埋めるようなミニアルバムの発売を持ちかけた。そうやって彼はわずかながらも、ファンミのミニコンサートという形で、自分の歌う場所を取り戻した。
歌うこと、歌手であること、音楽をすることを彼は諦めなかった。そしてファンも諦めなかった。
ミニアルバムは爆発的に売れ、リパッケージは法外なプレミアが付くほどの希少な価値のものになった。
事務所は、彼が歌手として活動すれば、莫大な利益を得る事が出来ることを学んだ。事務所も食っていかなければならないのだ。
事務所の気まぐれのような形で、コンサートは開催された。
僅かな餌を与えて、彼を飼い殺しにする方法を獲得したのだ。その後、彼に本格的に歌う場所は与えられなかった。JYJコンサートとしての場所以外、与えるつもりもなかった。
ファンミとして発表した入隊前最後のコンサートは、彼の強い意思を貫き通すという形でコンサートに変わったものだったかもしれない。
彼は、その報復を受けている。入隊に関する彼の扱いは、明らかに他のメンバーとは異なった。
残りの一人のメンバーは、最初から歌う場所を十分に与えられた。彼の場合、俳優に向かないという事務所の判断の下、歌手業に専念させた。
アルバムを与え、ソロコンサートを与え、ワールドツアーを与えた。テレビ局にも働きかけ、地上波の出演ももぎ取った。
彼には、JYJのメインヴォーカルのポジションと、ソロ歌手としてのポジション、そしてミュージカル俳優としてのポジションが与えられた。
音楽以外の仕事を逆に一切与えなかった。音楽プロデューサーのいない事務所は、スタッフ総出で彼の音楽活動を支えた。
お抱えの馴染みの記者達を招待し、彼に有利な記事を書かせる事を忘れなかった。
事務所唯一の歌手として、大切に扱った。
日本市場を取り込むことを熱心に行なった。
日本では個人ファンより、グループファンの方が受けがいいと判断すれば、JYJの記事やイベントを活用しては、彼のソロ活動をねじ込む事を忘れなかった。
グループファンを取り込む為には、かつて飛び出した東方神起という名前を活用することも忘れなかった。
そうやって、事務所唯一の歌手を作り上げた。
JYJというグループに音楽グループとしての実体は殆どなくなった。ソロ活動に一人のメンバーが熱心にする余り、グループとしての形骸化が進んだ。
この5年間、特にエイベックスとの和解が成立したあとは、本気で日本活動しようと思えば出来たはずだった。日本でJYJとしてブレイクさせる戦略があれば、十分に出来たはずだ。
しかし、それよりも一人のメンバーをソロ歌手としてブレイクさせることに事務所は熱心だった。それでも認知度が上がらないと見るや、JYJとしての活動をさせた。あくまでもJYJのセンターは、彼のものであり、JYJの中心は、彼のものだった。
彼をブレイクさせるためにJYJさえも利用したと思われるほどだった。
今、事務所唯一の歌手であるメンバー以外のメンバーが、入隊し、活動出来ない状況の中で、この本を出版する事に何の意義があるのかを知りたい。
俳優活動に入隊したメンバー達を専念させ、JYJということを忘れさせるかのように、一人のメンバーのソロ活動に熱心にしていた事務所が、二人が入隊してから、やけにJYJ、JYJと連呼するようになった。まるでJYJという名前を忘れ去られる懸念でもあるかの如くだ。何かにつけ、JYJという言葉を持ち出し、唯一の歌手にインタビューでJYJについて語らせるほどになった。
今のこの時期にJYJという言葉を持ち出す理由が知りたい。
本をわざわざ出版するには、それだけの戦略があるはずだ。
たった一人しかいないメンバーのJYJの足跡を今、書くことは、誰の利益に繋がるのか。
今、JYJの足取りを辿り、不遇な過去を周知させても、入隊しているメンバーが除隊する頃には、人々はすっかり忘れているだろう。バラバラと除隊してくるメンバーが全て揃うのは、最短でも3年後。そのインターバル期間がどれぐらいになるか、全ては、これから入隊するメンバーによって決められる。3人が揃わなければ、JYJとしての活動は出来ない。
何年か後に、この本の内容もすっかり忘れた頃に、活動が始まるのか。
誰の為にこの本が書かれ、誰の為に出版するのか、そのメリットを今、受けるのは誰なのか。
この本の説明文を読めば、一目瞭然だろう。
この本の出版が、JYJのメンバーとしての事務所唯一の歌手の日本での認知度と新しいファン層獲得への布石になるかどうかは、甚だ疑問だ。
少なくとも今年一年は、ただ一人のメンバーだ。
喉から手が出るほど欲したその機会を、どのように料理するか、この本の売れ行きも含めて、お手並み拝見させていただく。
2016年、その幕が上がろうとしている。
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