ここのところ、その話題を聞く度に不愉快だ。
彼のファンになり、ファン社会というものを知ってずっと感じる違和感。
一体ファンとは何様なのだろう、と思う。
彼が事業を始めたことが今回の発端だったのかもしれない。
次々と展開する事業に関して彼を「金の亡者」呼ばわりしているのを見かけた。
次は、名古屋だ。
名古屋で今にも入隊するかのような彼の号泣を観た感動が冷めるに従い、入隊が一年後に伸びるかもしれないという情報と共に彼へのバッシングが始まった。
「すぐにでも入隊するかと思うほどだったのに。あの涙は何だったの」
「あのまま入隊すればよかったのに」
ソチで自国の選手の演技を観て、呟いた彼に対してのバッシングは本当に酷いものだった。
「やっぱり韓国の人間なのね」
「日本にファンがたくさんいるのだから、もっと日本のファンに配慮するべき」
「日本でコンサート開いて儲けてるのだから、もっと気を使うべき」
「日本ファンが支えなかったら、コンサートも事業も出来なかったのに、わかってないんじゃないの」
そして、めっきり更新が減ったtwitterには、
「一体いつ更新するの」
「twitterは、ファンとの交流のためでしょ。もっと頻繁に更新するべき」
3月になっても彼の情報も動向も見えてこなければ、彼が、選んできた道まで批判する。
日本活動が再開出来ないのは、まるで彼に責任があるかのようにこぞって彼を非難する。
一体ファンは何様なのだろう。
いつから、こんなに偉い立場になったのか。
私は、今でも覚えている。
彼が5人から3人になったとき、多くの有名ブロガーは、こぞって彼を非難した。
まるで3人になったのは、彼に責任の全てがあるかのように。
東方神起が分裂しそうなのは、メンバーを説得出来なかった彼に問題があるかのように。
果ては、彼が分裂をそそのかしたかのように。
諸悪の根源は、すべて彼にあるかのように書いた多くのブロガーがいる。
そのブロガー達は、分裂が決定的になると、JYJペンを名乗り、今、彼のファンを名乗って大きなサイトの管理人を務める。
その頃、自分がどれだけブログというツールを使って彼をバッシングし、批判を繰り返したことなど、すっかり忘れ、まるでなかったような顔をして、彼のファンの代表のような顔をしているブロガーは、数知れない。
自分達は、すっかり忘れたのかもしれないが、その頃のことを覚えているファンはたくさんいるのだ。
そして、その見事な豹変ぶりを目のあたりにして、心の中で呆れ返っている。
あれだけ批判して、よく彼のオンリーペンのような顔をして平気でいれるものだと。
今、バッシングを繰り返し、記事に書き、twitterで呟く人達には、決してツイを消したり、記事を削除したりしないで欲しい。
何年か後、状況が変わった時、自分が何を彼に対して言ったのか、記事に書いたのか、思い出すために。
自分の書いたことや言ったことには、責任が伴う。
たとえ、ネットという匿名性のある世界でも。
自分は、すっかり記憶の底に忘れ去っていても、それを読んだ多くの人は、誰が何を言ったのか、はっきりと記憶に残っているのだ。
誤魔化すことは決して出来ない。
「これが夫も子供もいる立派な家庭の主婦の言うことばなんですか? 自分が呟いてる言葉を夫や子供に見せられるのか聞いてみたい。余りにも最近は酷い」
そういうことばを若いファンの何人もから聞いた。
彼が、どのような人生を歩もうと、それは彼が決めることだ。
彼がどのような音楽をしようと、どのような仕事を選択しようと彼の人生だ。
彼は、たまたま歌手という仕事をして、その彼の歌を聞いた私達は、彼のファンになった。
ただそれだけのことだ。
韓国人の彼が、日本を愛してくれる。
日本のファンを大切にしてくれる。日本で活動したいと言ってくれる。
そんな彼に日本人として感謝するだけであって、何も要求する立場にない。
「待っていて下さい」と彼が言えば、その言葉を信じて待っている。
彼が日本活動をどんなに模索しても実現出来ない状況の中で、ファンとして何も彼の力になることは出来ない。
彼の人生は彼のものであって、誰のものでもない。
ファンは、彼の人生の応援は出来ても、責任を取ることは出来ない。
彼は、彼自身で自分の人生を歩んでいかなければならない。
彼が彼の人生を決定し、責任を取るのだから。
ファンは、彼に仕事を与えることも出来なければ、彼の人生の責任を取ることも出来ない。
ただ、彼を応援し、彼の気持ちがくじけないように、メッセージを送り続けることしか出来ない。
彼が、もう日本には帰らない。
日本活動は諦めました。
そう言っても、私達には、何も言うことは出来ない。
全ては、彼が決めることなのだ。
彼の心が変わっても、彼を責めることは出来ない。
人の心は変わるのだ。
彼の心を変えさせたとしたら、それは、日本ファンの彼に対する心無いバッシングかもしれない。
「待っていてください」と言ったのに、信じてくれなかった。
その時の彼の気持ちを想像するだけで、私は、心が震える。
この4年間、彼が日本活動を諦めず、日本や日本ファンに対して特別な感情を持ち続けたからこそ、私達は、彼に会うことが出来たのだ。彼が、日本など忘れ、日本ファンも他国のファンと同じような存在として扱えば、今のようなメッセージを貰うこともない。
彼は、日本活動が打ち切られた時に、日本も日本ファンも日本活動も諦めることだって出来たのだ。
韓国へ戻り、日本のことなどすっかり忘れて、韓国人として、韓国語の歌だけ歌い、韓国の芸能界で生きていく道を選ぶことだって出来た。
それが当たり前の韓国人として生きていくということだった。
でも彼は、そうしなかった。
あくまでも日本へ戻ろうとし、日本活動の可能性を探り続けた。
当初、エイベックスに妨害されていた日本活動は、今、何が原因で再開できないのか、本当の妨害とは何なのか、ということを知らないオンリーはいない。そんな状況の中でも日本活動を何とかしようとする彼の意思の強さにファンとして感謝する気持ち以外を持たない。
韓国人として、日本語の歌を堂々と韓国で歌い、自国のコンサート回数よりも多いコンサートを日本で開く。
日本では、いつも特別なプログラムを組む。
そんな彼の気持ちも彼の心も信じられない人は、ファンをさっさとやめればいいのだ。
今まで彼の音楽に慰められ、少なくとも彼の歌に声に慰められた経験が一度でもあるのなら、彼を攻撃することをせず、彼をバッシングすることをせず、せめて、静かに彼から去ればいい。
それぐらいのマナーは、日本人として外国人の彼に対する最低限のマナーでありモラルだと思う。
私は、オンリーだし、彼のソロ活動を願っている。
けれども、彼がソロ歌手として活動するまで3年待ち続けた。
その間、彼がJYJ活動にこだわり、メンバーに道を譲り、メンバーに遠慮し、自分のことを後回しにしてくるのをずっと見続けた。
それは、私の願いとは全く裏腹の行動であり、言動だった。
それでも私は今まで一度も彼の行動に苛立った気持ちを持ったこともなければ、彼の言動に不足を思ったこともない。
彼に不信感を抱いたこともなければ、彼を責めたいと思ったこともない。
なぜなら、私は、彼のファンだから。
彼が決めたこと、彼が言うこと、すべてを無条件で受け入れる。一介のファンでしかない私は、彼の人生の責任を取ることは決して出来ない。好きになった人が決めて歩む人生を丸ごと受け止めることしか出来ないのだ。
ファンは、一体何様なのか?
自分の苛立つ感情を彼にぶつけ、彼を批判し、彼をバッシングするファンは、彼の人生に責任を持てるのか?
これだけ批判するファンは、彼が日本活動を再開し、活躍しだしたら、手の平を返して、彼を応援するのだろう、かつてのように。
彼の批判を繰り返し、彼にバッシングの呟きを投げつけるファンの名前をよく覚えておくといい。
彼の状況が変わり、彼が日本で活躍しだした時、その人達がどのような言動を取るのか、私には非常に興味深い。
ファンは、何様?ファンは、究極の我儘ものだ。