ジェジュンの除隊まで50日を切り、あっという間にその日はやって来るのだろう。

全く情報の出なくなった彼の動向に、オンリーの憂鬱さは隠せない。

 

事務所は、9月に「除隊後の活動について、緊密に連絡を取り合っていく」と言ったきりだ。どんな情報源を持っているのか知らないが(今では、この人物が事務所と繋がり、長い間、オルペンのジェジュンファンとして情報を拡散してファンを操っていた事。また、ジェジュンに不利な情報をそれとなく流し続けてきたことは周知の事実であり、別のアカウントでは、ジュンスファンとして有名人で、実はそのアカウントこそが本アカウントだったということも驚くべき事実だが)非公式と言いながら、ジェジュンの除隊後の中国におけるコンサート情報を平気で流し続ける人物もいて、情報に惑わされる状況だ。

 

情報が出ないのは、いい兆候なのか、悪い兆候なのか、それすらもわからない。

いい兆候なのは、彼がCjesを出ようとしている、もしくは、日本事務所と契約しようとしているという憶測だし、悪い兆候なら、再びCjesと組む、HYSと組んで日本でコンサートを開催するという憶測だろう。

 

いずれにしても、除隊を一月半後に迎えて、この状況は、普通なら考えられない。

一番考えられる事は、どちらの選択にしても、順調ではなく、揉めているという状況だ。

もし、多くのファンが望むように、彼がCjesから出る事を選択した場合、当然、事務所だけでなく、メンバーとも家族とも揉めるだろう。

彼が乗り越えなければならない壁は、事務所だけではない。メンバーと家族も大きな壁となって立ちはだかる。

情に厚い彼が、果たしてメンバーを切れるだろうか、という不安は、多くのオンリーが抱く不安でもある。

 

6年前、彼は、今と同じ状況に追い込まれていた。

日本でドラマなどのソロ活動を順調にしていた彼は、秋以降には、ソロアルバムの発売も計画されていたし、彼だけを売り出す計画もあったはずだ。

日本に一人残るのか、それとも韓国へ戻るのか、その二者択一を彼は迫られていたに違いない。韓国に戻るということを選ぶのか、日本に一人残るということを選ぶのか、それは、結局、メンバーを取るのか、ソロ活動を取るのか、という選択にもなっていただろう。

あの時、彼は、松浦氏の説得に耳を貸さなかった。

何度も松浦氏は、彼だけに呼びかけた。

 

「ジェジュン、目を覚ませ」

 

このツイッターの本当の意味を、あの頃を知っているオンリーなら、今、改めて感じるはずだ。

Cjesに残る、韓国へ戻る、という選択が、ジェジュンという歌手をどのようにすることになるのか、松浦氏には見えていたのかもしれない。

 

ジェジュンという歌手は、ハッキリ言って、日本で育てられ、その才能を開花した歌手だ。

それは、紛れもない事実であって、韓国でのデビュー一年間の彼の歌手としての歌声を聴いてみるとよくわかる。

彼の歌手としての才能を開花させたのは、日本語の歌であり、日本活動だと言っても過言ではない。日本活動がなければ、日本語の歌を歌わなければ、ジェジュンという歌手は、今のポジションに立つことはなかったと言い切れる。

 

6年前、若干24歳の彼に、その判断は出来なかっただろう。順調に日本でブレイクしてポジションを築いてきた彼にとって、韓国へ戻っても、そのポジションは揺るがないと思っていたかもしれない。

なぜなら、SMは、日本で彼がブレイクしたのを見て、彼の扱いを変えたからだ。

韓国でTVXQとして活動し始めた時、決して彼が中心ではなかった。歌う場所こそ、センターにいたが、韓国では、センターにいる人間がメインヴォーカルとは決まっていない。韓国でTVXQの中心にいたのは、ジュンスだった。あのまま、日本で活動していなければ、ジェジュンは、ビジュアル担当のグループ歌手として終わっていたはずだ。当然、SMもそのように扱っていた。

 

しかし、日本でジェジュンはブレイクした。

 

日本で彼がメインヴォーカルを取り、TVXQとは全く違う東方神起というグループを作り出した。ジェジュンは歌が格段に上手くなり、そのビジュアルと共に東方神起の顔として不動のポジションを築いた。

 

それを見て、SMは韓国でTVXQとして活動させる時にも彼の扱いを変更した。日本であれだけブレイクした彼の存在を無視することが出来なくなっていたからだ。

そうやって、彼の韓国での扱いは、日本活動をする前とは明らかに違ってきていた。だから、彼自身も忘れていたのかもしれない。もしくは、韓国でも大丈夫だと思ったのかもしれない。

その彼に嫌というほど、韓国での地位、ポジションを思い知らせたのが、Cjesだったと言える。

 

元々、彼は、引っ込み思案で、芸能人に不向きな性格だったかもしれない。物事には真面目に向き合い、誠実で、どちらかといえば、その性格は、日本人に似ているのかもしれない。

カメラに映るポジションでさえ、袖の下がまかり通る韓国において、そういうやり方を好まない彼は、異端児とも言える。

 

「郷に入れば郷に従え」

 

韓国で生きていく為には、金品の授受は当たり前、自分のポジションを有利にするためには、袖の下をばら撒き、有利な情報の拡散も金で買う。記者と懇意になり、自分に有利な記事を金品で買うのは当たり前の世界だ。

そういうことを一切好まない彼のあり方は、異端中の異端とも言える。

 

彼は、韓国社会の中で、いつも違和感を抱いていたかもしれない。

芸能界にデビューして社会構造を知る中で、そのような慣習を目にする度に、違和感を覚えていたのかもしれない。

しかし、そんな違和感は、日本に来て払拭されたのかもしれない。

 

「日本のスタッフは優しかった」

 

そう彼に言わせるほど、彼は、韓国社会の中で自分の感覚とのずれを感じていたのかもしれない。

いずれにしても、彼は日本でジェジュンという個性を確立した。

それは、非常に日本的な価値観に似た感覚の持ち主だったと言える。

彼は、青少年期の最も多感な時期に、日本の多くの価値観や習慣を経験する中で、自分の元々持っていた感覚を大切にすることにしたのかもしれない。

 

何事にも真面目に真摯に向き合う。

リップサービスを決してしない。

ファンサイトと一線を引き、特別な権限を与えない。

どんなファンも平等に扱う。

これらは、およそ、韓国のファンサイトと芸能人の繋がりからは考えられない関係であって、公式のファンクラブにおいて、ファンを平等に扱い、ファンと芸能人との間に一定の距離を持つ日本のスタイルそのものだとも言えた。

 

そうやっておよそ、韓国のスタイルとは違う、ジェジュン独自のスタイルを確立した彼は、韓国に戻っても、そのスタイルを貫けると思っていたのかもしれない。

 

「エージェント方式」

「自分達で納得の行く仕事が出来る」

 

そんな騙し文句を並べられて、彼は韓国へ戻った。

 

あの頃の彼の発言を思い出すと、「すぐに日本に戻れる」「日本活動は再開出来る」と思っていた節がある。

Cjesの公式コメントには、日本活動の継続を望んでいる、という謳い文句が並んでいたからだ。

 

今、あの頃とは信じられない位、オンリーが増えている。彼のソロ活動を望むファンが多い。一人で日本に戻って来てほしい、と願うファンばかりだ。

 

オンリーが増えたのは、韓国での彼の扱いが余りにも酷かったからだ。

 

本国へ戻った彼を多くの日本ファンは、最初、韓国で頑張って欲しいと応援していた。もちろん、日本に戻って来て活動して欲しいとは思っていたが、それを決して口には出さなかったし、出せる雰囲気もなかった。

 

JYJ活動が始まり、彼がセンターでなかったこと。メインヴォーカルでなかった事に違和感を覚えた日本ファンは多かったはずだ。

 

どうして彼がメインじゃないのか、納得が行かなかった。

 

この5年、耳慣れた東方神起の音楽は、彼の歌声が作って来たものだったからだ。

彼の歌声が中心にあったからこそ、東方神起はブレイクしたのだ。その確立したハーモニーの中心メンバーにいたのが、JYJの3人だった。当然、東方神起のハーモニーを継承するのは、JYJだと思っていた。

 

エイベックスでの僅かの期間、JJYとして活動したアルバムには、当然、東方神起のハーモニーを継承した姿がある。だが、韓国でデビューしたJYJには、その姿は全くなかった。多くのファンの期待を見事に裏切られた。

 

JYJの作り出す音楽の世界、ハーモニーの世界は、東方神起とは似ても似つかないものだった。

 

それでもJYJとして新しい音楽の世界を確立し、それが東方神起の音楽を上回るものだったとしたら、ファンは納得したのかもしれない。けれども、JYJの音楽は、決して東方神起を越えることは出来なかった。

 

「JYJと東方神起は違う」「JYJは新しい音楽を目指している」

 

そうJYJファンと呼ばれる人達は言うのかもしれない。又、ジュンスファンは、そういうのだろう。

 

けれどもJYJの音楽が東方神起を上回っていないのは、誰の目にも明らかなことだ。

 

それが、ちゃんとした日本活動をしていないから、とか、きちんとしたレーベルから発売されなかったから、とか、そういう言い訳が通用しないのは、日本で、未だに5人の東方神起のハーモニーが好まれているのを見てもわかる。

 

2人になった東方神起は、新しい東方神起としての音楽の世界を確立することに必死だった。東方神起としてのイメージを2人だけの色に染め上げてきた。しかし、それは、5人時代のハーモニーの継承ではなく、全く別物の東方神起の形と言える。

 

JYJが2人の東方神起と対等に渡り合えるとしたら、それは、ジェジュンをメインヴォーカルに据えたハーモニーの世界を作り上げた時しかない。

 

多くのジェジュンファンがJYJに期待したのは、そういう音楽の世界だった。だからこそ、どんなに批判を浴びても、JYJを応援しようと思ったはずだ。

 

でも、JYJというグループも韓国も、決してジェジュンという歌手の存在を認めようとはしなかった。

 

どんなに韓国ファンサイトが、「ジェジュンは韓国で人気があり、一番だ」と言っても、一般の韓国人に聞けば、本当の彼の認知度もポジションも知ることが出来る。

 

日本でブレイクしていた頃の彼のポジションは、韓国にはない。

歌手ジェジュンとして日本であれだけのポジションと人気を得ていた姿は、韓国にはない。

 

この6年間、日本ファンはじっと耐えてきた。

 

彼が韓国でどのような扱いをされても、それをずっと見守り続けてきた。

 

彼がJYJ活動を望むなら、それを甘んじて受け止め、応援しようとしてきた。

けれども、そんな彼の気持ちに対して、韓国という国もCjesも決して応えようとはしなかった。

 

もう限界なのだ。

 

私達が知る歌手ジェジュンは、そんなポジションで甘んじているような歌手ではない。

 

歌う場所さえも満足に与えられず、ドラマに主演して俳優として活動する事しか出来ないような歌手ではないのだ。

韓国にいる限り彼にはまともに歌う場所さえ与えられそうにない。

それなら、日本に返してもらおう。

 

日本に戻れば、彼は、多くの人を魅了するだろう。

 

今なら、まだ多くの日本人が彼の歌声を記憶している。

 

日本人かと思われるほど、彼の日本語の歌には外国人特有の癖がない。

正確に発音された日本語には、言葉の意味を完全に読み取り、日本語の歌詞で描かれた世界を見事に構築する表現力を持つ。

 

あれだけの表現力と歌唱力を持つ歌手は、日本の同年代には存在しない。

 

 

この6年間での韓国での扱いを見て、ジェジュンという歌手は、韓国で生きる場所は与えられないのだと思った。

 

歌手ジェジュンの生きる場所は、日本にしかないのだと思ったのだ。

 

だからこそ、多くのファンが今、声だかに「日本に帰して欲しい」と叫ぶのだ。

 

日本に帰って来たなら、こんな酷い扱いはされない。

 

日本は歌手ジェジュンを待っているのだ。

この6年間、ファンは減るどころか、増えている。

ソロ歌手ジェジュンのファンになった人は増えているのだ。

 

「化粧」の動画を見て、ファンになった人。「WWW」や「No.X」を聴いてファンになった人。入隊中の動画を見て、ファンになった人。

みんなソロ歌手ジェジュンの紛れもないファンだ。

 

そこには、東方神起もJYJもない。

ただ、ソロ歌手ジェジュンのファンがいるだけなのだ。

 

 

これほどに彼の帰りを切望し、彼の歌声を求めている場所に、彼が帰らないとしたら、それは、乗り越えられない壁を感じるしかない。

 

彼には、事務所という壁も、メンバーという壁も、家族という壁も乗り越えて、日本に戻って欲しい。

 

除隊後、彼がどの道を歩むのか。

オンリーの憂鬱は、当分続くのかもしれない。