Mステを観た。
彼は、非常に落ち着いていた。
ドリフェスやTGMの時とは、比べ物にならないぐらい落ち着いていた。
さすがだと思った。
KPOP歌手14年目のキャリアがモノを言ったステージだった。
JPOP新人歌手ジェジュンの誕生だった。
夕方のNHKラジオで、「Sign」のフルバージョンを聴いた。
short.ver公開時の予想通り、二番とさらにサビの展開部があり、彼の高音を余すことなく発揮するメロディーの作りになっていた。
後日、フルバージョンのreviewを書こうと思っている。
それよりも彼の生歌の方がずっと印象的だった。
彼は、非常に歌に集中していた。
あれほど、集中している彼の歌を聴いた記憶がない。
「この一瞬に懸ける」
歌手としての決意と気迫が漲っていた。
彼の歌声は、非常にコンディションが良かった。
それは、フルバージョンで公開されたCDよりも、ずっといいものだった。
歌の冒頭部分は、ソフトな響きで、優しい色彩だった。
歌が進むに連れて、彼の声の色合いは、深く濃くなり、充実した響きを奏でた。
サビの部分の高音部は、伸びが素晴らしく、近年、「守ってあげる」の高音部を避けて歌う彼からは考えられないほどの伸びを見せた。
今回の歌は、彼の最も魅力的な伸びのある高音部を十二分に披露していた。
さらにサビの展開部は、一層の高音が用意されていた。途切れることのない高音部が繰り返し繰り返し披露される。
その音を彼は、十分にコントロールされた破綻のない歌声で、歌いきっていた。
彼の本領を発揮したステージだった。
この歌を聴きながら感じたのは、非常に日本語の言葉数が少なく、難しい曲だという事だった。
前半部の一見、簡単そうなメロディーは、言葉も少なく歌いやすく聴こえる。
しかし、実際に歌うと素人は、間延びしてしまうだろう。それは、音符の刻みが、大きく、その音符一つに対して、一つの文字がつけられているからだ。即ち、緩急のリズムがない、緩やかなリズムの刻みしか存在しない。
その為に、歌ってみると、ゆっくりのテンポで、間が持たない。
それをそのように感じさせず、単に簡単な曲のように感じさせるには、高度なテクニックが求められる。
彼の過去の歌を実際に歌ってみるといい。
聴いている時は、誰もが歌えると思うほど、彼は簡単に単純に歌っている。しかし、実際に歌ってみると、彼のように軽く、単純にシンプルに歌うことは困難な曲が多い。
彼の曲は、難曲が多い、というのが、私の印象だ。
難曲を誰もが歌えるように感じさせるほど、彼のテクニックは高度だということになる。
「今まで聴いたことのないような曲を選びました」
「最もJPOPらしい曲にした」
「歌を聴けば、ああ、ジェジュンは変わってないんだなぁ、と思ってもらえると思う」
彼の選んだ曲は、近年のリズミカルなJPOPではなく、ひと昔前の、懐かしさを感じる時代のJPOPの色調を持った曲だったと言える。
もっとも古典的で、オーソドックスで、シンプルな構成のJPOP曲。
そんな曲も彼が歌うと新しい色調に彩られる。
JPOP歌手ジェジュンの誕生は、必ず、JPOP界に大きな影響と足跡を残す。
彼の今回のステージに懸けた気迫は、凄まじいものだったと言える。
それを、笑顔で包み込み、感じさせなかった。
彼のJPOPに懸ける本気と並大抵でない覚悟を感じた夜だった。
※
彼の歌声にファンの歓声を被せる演出を観ながら、グループ時代のNHKでの「Choozy Lover」のステージを思い出した。
あのステージと全く同じ手法が取られていた。
Mステで初めての試みとのこと。
ライブ感が欲しかったのだと思った。
今回のステージは、彼の歌手としての魅力を十分に内外に示したと思う。
16日からのライブの一般発売に追い風になっただろう。
これから、チケットの争奪戦は益々厳しくなり、彼のファンは爆発的に増えるだろう。
今のJPOP界の彼の世代に、彼ほどの歌唱力を持つ歌手は、いない。
彼の最大の強みは、ジャンルにとらわれないことだ。
古典的JPOPのバラードを歌えて、ロックを歌える人間はいない。
JPOP歌手ジェジュンの魅力は、まだ、ほんの一部分を見せただけに過ぎない。
やっと誕生したばかりなのだ。
これから、彼の新しい歩みが始まる。
8年前に、彼のファンになったとき、ソロ歌手になって欲しいと思った。
どうしてソロ歌手にならないのか、理由がわからなかった。
そして、日本でソロ歌手として活動して欲しいと願った。なぜなら、彼は、JPOPを歌う時に歌手としての本領を発揮すると思ったからだ。
どんなに韓国での歌を歌われても、彼の日本語の歌に勝るものはないと感じていた。だから、日本に戻ってソロ歌手になってほしかった。
今、彼は、紛れもなくソロ歌手として、日本語の歌を歌っている。
夢にまで見た、オリジナルの日本語曲を歌っているのだ。
夢は諦めなければ叶うのだと知った。
諦めないこと。
それが、夢を手に入れる唯一の方法だ。
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