自宅のテレビ画面にジェジュンが映っている。

画面の向こうの彼は、普通の芸能人。
この9年間、彼の姿は、パソコンの中か、DVDの再生画面の中にしか存在していなかった。

今、彼は、テレビ画面の中で、普通に日本の芸能人として生きている。
普段の生活など全くわからない遠い世界の芸能人。
そんな存在にやっとなれたのだと思った。

盗撮画像や映像。
どこで誰と何をしていたのか…。
そんな情報ばかりが非公式に拡散される毎日だった。
何か仕事をすれば、必ずその行き帰りの盗撮画像があがった。
韓国や中国のファンカフェからの画像と情報ばかり。公式の比較にならない量が拡散される。

この9年。
彼はネットの中にしか存在しなかった。
韓国での情報を追えば、ネットの中しかない。
非公式に与えられる情報に慣らされ、彼の日常を追うことに慣らされる日々。
彼のファンになって、知ったファン生活は、そんな日々だった。

今、彼の日常は、彼自身があげない限り、何もわからない。
彼の仕事での動向は、JAEFANSで告知され、彼の盗撮画像も映像も存在しない。
徹底的に管理された中で、彼は、普通の芸能人生活をしている。

彼の情報は、新聞やテレビ雑誌の番組欄に掲載され、誰もが平等に知ることが出来る。
自分から、情報を漁り回らなくても、公平に公正な形で、与えられる。
誰かが、先に知り得ている情報など存在せず、関係者は、箝口令を貫く。

そんな日常がとても心地よい。

 

いつもザワザワと落ち着かず、不安にかられ、次は、いつ彼に会えるのだろう。彼は仕事をしているのだろうか。彼は、仕事を与えられているのだろうか…
そんな思いを抱きながら、ネットを徘徊した日々は、遠く彼方に去り、安定した日常生活の中に、彼がいる。

毎日のようにテレビに顔を出す彼は、とても充実していて落ち着いた顔になった。
もう最初の頃の緊張感もなく、ずっと以前から、日本に存在していたかのようだ。

 

さぁ、今日は、これから、もう一つ番組を観よう。

彼の活躍を見逃さないように、頭の中で、彼の出演日がめまぐるしく加筆されていく。

どんどん加筆修正されていくスケジュールを取りこぼさないように、それだけを頑張ろう!!

 



「韓国に来て……、日本に帰らないといけないから……」

そう言った彼の頭の中では、もうすっかり日本にいることが当たり前なのだな、と感じた。

「韓国には?」
「戻る」
「日本には?」
「帰る」

そうファンとやり取りして、嬉しそうな表情を見せたリバコンから、一年余り。

彼の感覚が、もっともっと日本に同化すればいい。

日本の空気を吸い、日本の食べ物を食べ、日本の風習に染まっていく。
そうやって、彼の中の感覚が、日本化すればいいと思っている。

なぜなら、彼は、JPOP歌手ジェジュンだからだ。

新曲リリースまで二週間。

怒涛のような番宣の週が始まった。

毎日、毎日、ジェジュンを観れる。

本当にケイダッシュで良かったと思った。

 

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