こんな酷い仕事の為に彼は、21ヶ月、苛酷な軍務を熟し、こんな酷い再会をする為にファンは、21ヶ月、彼を待っていたのだろうか。
Noxのツアーの代償に彼が払うものは、余りにも酷いものだった。
除隊日に合わせて、高額ファンミツアーが発表された。
除隊したばかり、21ヶ月の緊張からやっと解放され、ホッとしたばかりの彼を真夜中から明け方までファンミという名の除隊ビジネスが待ち受ける。
除隊してくる彼を待ち受けるのは、拝金主義にまみれた最低の除隊ビジネスだ。
「日本ファンと会えるから」
「長い間、待っていてくれた日本ファンに挨拶したいだろう?」
そんな甘い言葉で彼を縛りつけたのか。
それとも彼が全く交渉しないことへの報復として、見切り発車したのか。
「もうツアーは発表されているんだ」
「日本ファンを裏切る事になる」
彼の留守中に勝手に家族と決めた仕事なのか。
金、金、金。
彼の周りには、拝金主義の人間が群がる。
彼を利用して、金儲けをすることしか考えない輩ばかりだ。
21ヶ月前、現役入隊を決めた彼に用意されたものも、高額ファンミツアーだった。
あの時、Cjesは、「入隊前にジェジュンに会える最後のチャンス」と言って、ファンの気持ちを煽った。
蓋を開けてみれば、ルッコリと彼との間には、何の打ち合わせも出来ていなかった。
「軍に手紙は送らないで」
彼の言葉は、「お手紙イベント」と称し、会場で、ファンに彼への手紙を書かせたルッコリの鼻を見事に挫いた。
あの時、ファンが書いた手紙は、本当に彼の元に届けられたのだろうか。
高額ファンミの僅か10日後には、日本でトライアングルファンミが開催された。
トライアングルファンミこそが、彼とファンとの本当に最後の別れだった。
彼は、日本ファンに会うために、自ら日本にやって来たのだった。
高額ツアーを募集した時、Cjesは、トライアングルファンミの開催を知らなかったとは言わせない。
横アリを押さえる為には、彼の出演は不可欠だったはずだ。あれはCjesが全く絡んでいないファンミだった。
彼のスケジュールを管理しているのは、Cjesだ。そのCjesが知らなかった筈はない。
あとから、トライアングルファンミが開催されるのを知っていて、高額ツアーを発表した。
高額ファンミに参加したファンには悪いが、彼の態度は明らかにどこかで冷めていた。
お手紙イベントを計画したルッコリに、彼自身が冷や水を浴びせかけた。
何もかも思い通りにはさせない。
あの発言は、あくまでもファンとの関係は、自分が管理するという彼の意志の現れだったとも言える。
トライアングルファンミこそが、彼が日本ファンとの別れに用意した物だったに違いない。だからこそ、一押し歌手のソロコンに日程が被っても、彼は自分の意思を貫き通した。
前夜には、自分のデザインしたMoldirのイベントを笑顔で行った。
「いつか日本のファンに紹介したかった」と彼は、自分のデザインを自慢げに見せた。
ファンを身近に感じたい。
夜半に開催されたイベントでも、彼は笑顔を見せた。それは、あの場所でファンと会うことが彼の紛れもない意思だったからに違いない。
翌日、彼は、号泣した。
彼と日本ファンとの本当の別れだったからだ。
除隊が近づく中で、Cjesが彼と密接に接触している気配は全くなかった。
ましてや、これほど、ファンとの出会いを大切にする彼が、自分の除隊を利用してイベントを開催し、高額ツアーでファンを韓国に呼び寄せることなど到底考えられない。
年末年始という一年で最も大切な時期に、自分に会いに韓国へ来てほしいと思う訳がない。
このファンミは、如何に彼が韓流スターであるか、如何に彼の事務所は何処なのか、ということを日本ファンに思い知らせるイベントでしかない。
21ヶ月、ただひたすら彼の帰りを待ち続けてきた日本ファンに、彼と出会いたければ、こういう方法でしかないんだぞ、と思い知らせる為のツアーでしかない。
ソロでの日本事務所との契約を願っているファン、日本での正式な契約と日本活動を願っているファンの気持ちを十分知ったことへの報復とも言えるツアーでしかない。
除隊後、Cjesビジネスの幕が上がる。
たった一人、事務所に残る彼には、JYJという看板も、韓流スターという看板も背負って貰わなければ困る。
Noxのツアーを通して、世界中の果てまで稼ぎにいって貰わなければらないのだ。
Noxのツアーが終われば、彼には、これでもかこれでもかというほど、韓流スターとしての仕事が与えられるだろう。
韓流スター、ジェジュンのレッテルを貼り、彼からまともに歌う場所を奪い取る。
あくまでも韓国人歌手は、韓国においてのみ、歌う場所を僅かに与える。
それは、日本ファンに彼が韓国人であること、韓国の歌手であることを思い知らせる為でもある。
韓国のやり方で、彼を日本ファンの前に提供する。
これが、Cjesの考える日本活動だ。
彼が日本ファンと会いたいと思うなら、仕事を引き受けざるを得なくなる。
そんな仕事をする彼を見て、ファンは不満を募らせ、やがて疲弊し、彼から離れていくかもしれない。
そうやって、彼からファンを奪い取って行く。
日本のファンを離れさせ、彼に日本を諦めさせる。
「今さら日本に戻って何が出来るというのか」
彼から日本を奪い取り、韓国に縛り付けた頃、一押し歌手は、除隊してくる。
奪い取った市場で大々的な除隊ツアーをするのは目に見えている。
そうやって彼と一押し歌手との間に、明確な歌手としてのポジションの差を彼に思い知らせるのが目的だ。
韓国では、お前は二の次なのだ。
それがCjesの最初からの狙いだった。
彼の日本への思い、日本ファン市場を徹底的に潰し、彼に日本を諦めさせる。
日本ファンにも彼の日本活動を諦めさせる。
その為の6年間だったはずだ。
日本活動をするんじゃない。
日本ファンに、韓国人歌手のファンになるということは、どういうことなのかということを叩きこむ為の戦略だ。
日本ファンの落とす金を回収するのは、あくまでも韓国人でなければならない。
日本人に回収などさせてはならないのだ。
だから、在日企業と組み、あくまでも韓国の手で何もかもやろうとする。
日本事務所と組むことなど、もってのほかなのだ。
韓国人歌手キム・ジェジュンを応援するのは、あくまでも韓国方式でなければならない。
日本ファンに韓国人歌手を応援することは、どういうことなのかを徹底的に教え込む。それと同時に、彼自身にも、自分は韓流スターであるのだという自覚を叩きこむ。
それこそが、Cjesがこの6年間に彼と日本ファン社会に打ち込んだ楔でもあるのだ。
参加するファンが少なければツアーは成り立たない。この夏のJYJファンミのように。
けれども彼が可哀想だと言って、ツアーに参加するファンがいる限り、彼はCjesを出ることは出来ない。
ファンの彼への同情が、彼を一生、Cjesに縛り付ける。
今回のファンミは、彼に会いたいファンの気持ちを利用した、Cjesの用意した踏絵なのだ。
Cjesビジネスの幕が上がる。
※今回のファンミツアーは、日本ファン限定のものであり、海外からは見れない設定になっているという。
あくまでも日本ファンの心をいたぶる為の、除隊ビジネスだと言える。
彼を取り巻く環境は、余りにも酷い。